#58 2月くん

「お、『2月』今日で終わりか?」

「あ、『3月』さん……はい、僕は今日で終わりです」

「28日しかないもんな。そりゃ早いわけだ」

「はい……」

「ん? どうした?」

「いえ……」

「なんでもありません、って雰囲気じゃないだろ。よかったら話聞くぞ? 『1月』のヤローに何か言われたのか?」

「……それは毎回なんですけど」

「毎回か……まあ『1月』は、な……新年ってことで、色々人間どもの空気も違うし、一番変わってる時だからな。『12月』ちゃんの次に色々忙しいだろ」

「はい……『1月』さんいつもげっそりしてますから……それで、28日しかない僕は楽だろうなって、ぼそっと」

「楽だろうなって、あいつ……お前さんにだってバレンタインあるだろ? 俺のホワイトデーに繋がる、俺たちで仕上げなきゃいけないものが」

「そうですけど……でも1月さんと比べると」

「比べるな比べるな。1月は特殊なんだよ。つか、ある意味で考えたらお前がアレだろ」

「僕がですか?」

「ああ。だってお前、? 

「……あ」

「おい、その反応忘れてたのかよ!?」

「4年に一度しかないんで忘れちゃうんですよ! あー、どうしよう……1月さんに会うの怖くなってきた」

「アレになると、お前少し気が大きくなるもんな」

「たった1日増えるだけですけど、僕としてはいつもと違うので、つい気が乗るっていうか……」

「実は俺も被害に遭うんだけどな……」

「え?」

「だって気のでかいお前の相手すんの俺だよ? こっちも気疲れるわ」

「……すみません」

「ま、いいさ。2月くん閏年モード、楽しみに待ってるぜ。んじゃま、俺はひとまず仕事に入りますか!」

「頑張ってください」

「おう!」

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