#56 歩く死体

「歩く死体、って知ってる?」

「は? 何それ」

「読んで字の如く。歩く死体だよ」

「それってゾンビと何が違うの?」

「あー? ゾンビ?」

「そう。お前が言ってる『歩く死体』って、要は『死体』が歩いてるってことだろ? ゾンビも死体が歩いているじゃん。だから違いはないの?」

「……言われてみれば、ゾンビと同定義かも」

「おいおい、話振ってきたんだから何かあると思ったじゃねえかよ。何もないかよ」

「何もない、な。つか、歩く死体ってなんだ? なんで死体が歩くんだ?」

「俺に聞くなよ。歩く死体ってどこで見つけた話題だよ」

「普通にネットだよ。SNSを賑わせてるんだよ。『歩く死体』ってのが」

「なんだそれ。ゾンビの方がかっこいいよ。そっちを流行らそうぜ」

「だな。ちょっと改変してみるか」


 こうして『歩く死体』と言う言葉は『ゾンビ』と言う単語に改められ、認識が広まっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る