百鬼夜行

『これより、第』

『何回だろうといいだろう。さっさと終わらせるぞ』

『しかし大佐』


 周囲が騒がしい。

 ボクの知らないが飛び交っている。


『アンゴルモア』

『……失礼致しました。今回の議題は、前回に引き続き太陽系第三惑星の侵略計画について』

『まずは大王様のご意見をだな』


 頭の上は重たく、指先で触れてから、左右の手を伸ばして取り外してみる。

 王冠だ。

 白銀の王冠が被せられていた。


『大王様?』

『まあまあ大佐。せっつくのはよしなされ。大王様はシエスタから目覚められたばかりなのだ。寝起きは誰しも、頭が回らないものなのだ』


 目の前の長机の左右に椅子が並べられており、手前に真っ赤な身体の爬虫類はちゅうるい

 その向かいにはカマキリのような生き物。

 奥にはコウモリ……かな……? 顔がブタみたい。


 ボクの隣にはタコさんがいる。


 ここはどこだろう。

 大泉にあるという東映撮影所か?

 あるいは東宝の……?


『ふむ。では前回の議事録を』

『任された。えーっと……誰だこれを書いたのは。読みにくいったらありゃしない』

『なんだと!』


 怪人の着ぐるみを着た人間サイズの生き物たちが、引き続き謎の言語で会話している。

 ちらりと見える文字のようなものは、ひらがなでもカタカナでも漢字でもアルファベットでもない。


 一番近いのはルーン文字?

 最近の特撮は、設定が凝っているなあ。


 クウガには古代文字があったものだ。

 グロンギ語、懐かしい。


『貸してみろ! 私が読む!』

『見てくださいよ参謀』

『これはひどいのだ』

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