231~240

態 神 困

「きっと僕がいなくても、君は歩いていける」そんな酷いことを言う、私だけの神様。「無理よ、私。貴方がいないと何もできないの」「そんなことないさ」普段よりそっけない態度を崩さず、彼は言う。「ここじゃないどこかで、また君に会えたら嬉しいな」困ったように眉を下げ、神様は笑ってそう言った。


帯 愛 口

「どれだけお前が愛してるって伝えてくれても俺の心に響いてくれない。俺は虚なんだ、俺にはなにもないんだよ!」そこら一帯がひび割れるほど叫び、蹲る彼の背に手を当てる。「私の声が響かなくても、私は嬉しいの。あなたがそれを口にしてくれるほど、私を想ってくれているのが分かるから」大好きよ。


湿 起 味

ふと、唇に触れる感触に目が覚めた。「あーあ、起きちゃった」小さな筒を弄び、彼女はくすくす笑っている。すん、と鼻を刺激する香りにその味が思い浮かぶ。「リンゴ?」あたり。そう言った彼女はまたそれを私に近づける。いつも彼女の使うリップクリームが唇を湿らせる感覚に、私はまた眠気を覚えた。


熱 生 強

最近熱っぽい視線を感じる。気がつけば以前より視界に入るのが多くなった。以前より挨拶をかけられることが増えた。この女学校と言う閉じた世界で少女達は生きていくため己の寄る辺を探す。より強いものに迎合する。つまり私だ。さて、もうすでに死んでいる彼女にどう対応するべきか。悩みは尽きない。


立 慰 犯

鎧をまとい剣を携え、凛と立つその姿。風になびく黒髪は今まさに昇らんとする日に輝いて、光の波をたてる。「貴様らがどれだけ侵犯を企てようとも、私も、我が国も貴様らの慰み者になるつもりは無い」目の前の軍勢を相手にたった一人で宣言する。「千の刃の名において、貴様らを一切残さず殲滅しよう」


優 乱 柔

柔らかなその指先に、頬に熱が集まるのを感じた。それと対比するように冷たい指は、そのままするりと優しく顎をなぞり、離れる。「貴女、もっと自信を持ちなさい。この私が選んだんだから」その唇からこぼれる言葉に心が乱れる。私にだけ触れる彼女。彼女に選ばれた私。完結された世界がここにあった。


笑 滑 小

レコードドールを買った。小さく華奢な白い手、チョコレート色の髪は柔らかく渦を巻き、眠るように閉じた瞳の色が気になった。家に帰りさっそくネジを巻く。うっそりと開かれた目は空色で、私を見てかすかに微笑んだ。首の後ろにあるスリットにレコードを差し込めば、人形は滑らかに聖歌を奏で始めた。


爆 陰 圧

「赤を切るわ」二人きりの映画会、隣の彼女はそう言った。爆弾に残された赤と青に、映画の男は重圧の中で迷っている。なぜ?暗い部屋の陰に彼女の輪郭は曖昧になる。「赤が好きよ。だから絶対」赤を切るわ。彼女は覚えているだろうか。私の作った爆弾を、何も迷うことなく、赤を選んでくれるだろうか。


肌 乱 酒

「もう、覚えてないの」酒に酔い、しなだれかかるその体は普段の抜け落ちたような白さは無く、うっすら桜色がかっていた。丁寧にくしけずられた髪が一房、肌に乱れ落ちていく。「声も、匂いも、顔でさえも」思い出すたび、擦れて擦れて擦り切れて。「すべて失くしてしまったの」一つ、涙が零れ落ちた。


感 憂 破

あのような人間は、憂鬱とは無縁なのだろう。天真爛漫にして明朗快活。天衣無縫なそのありさまに、我々のような後ろ暗いところのある人間はそぐわない。つねに陰を背負って生に執着し、感情に振り回されるまま破滅的行動をとり続ける。それをあれに理解しろと言ったとしてどうなるか。考えたくもない。



次の漢字を全部使って文章作れったー

https://shindanmaker.com/128889

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