独自の世界観と固有名詞群が圧倒的な密度で構築されていて、読者を有無を言わさず異世界へ引きずり込む筆力があります。
色氣力という設定の精緻さ、型番(Ⅰ式〜Ⅵ式)による強さの体系化、女性優位社会の必然性まで論理的に組み上げられており、単なるファンタジーに留まらず、完全にひとつの世界を構築している。
語り手による講談調の語り口と、本編の文語・雅語が入り混じる独特の文体リズムが全体を貫いており、それが戦場の緊迫と艶笑と悲哀の全てを一本の糸で繫いでいる点が特に印象的
サインバルタの散り際の描写など、敵役にすら確かな美学を与えているあたり、作者の懐の深さを感じる。
戦国乱世を支配するのは、剣でも軍略でもない。すべてを決するのは――「色氣力」。
生まれながらにして女性が圧倒的な力を持ち、戦場では彼女らが覇を競う時代。男が戦を動かすことなど、ありえない。
しかし、そんな常識を嘲笑うかのように、ひとりの男が戦乱の地に現れる。
名をアザトラ。
己が剣と、誰も知らぬ秘術を武器に、絶望の戦局を覆し、歴史の流れすら変えんとする“異端の戦士”――。
「弱きは虐げられる」 その定めを打ち破るのは、破格の力か、それとも智略か?
己の力を信じ、戦場を駆ける彼の名が、やがて列島全土に響き渡る時、戦国の常識は完全に塗り替えられる!
かつてない戦国絵巻が、ここに幕を開ける!