第12話

作者のK2です。昨日の夜、修正を少々加えて保存し直したと思ったら、間違えて投稿してしまいました。12時投稿と宣言していたので、一旦非公開化しました。

誠に申し訳ありませんでした!!!!


本編です↓







「休憩終わり。いざ参りますか!」


諸々の準備を済ませた恵奈は、DSMR-01を手にして立ち上がる。


ボス部屋の前に立つと、扉に手を当てて押す。石造りな為、重鈍な動きをすると思ったら、意外にも軽やかに開く。


内部から僅かに光が差し込む。


DSMR-01を構えた恵奈と、ボスと思われるモンスターは双方を認識した。


———キシャァアアアッ‼︎

「はは、このダンジョンは本当に虫が好きだねっ」


ボス部屋中央に鎮座していたのは、大型乗用車サイズのモンスター。


長い腕には強大なハサミを持ち、八本足で支える装甲板のような黒々しい身体。極め付けは一本の尻尾で、先端には緑の液が滴る鋭い針が存在した。


例えるならサソリ。あの尻尾は十中八九、何らかの強力は毒針だ。刺されたらどうなるか考えたくもない。


というか、明らかに今までのモンスターとは一線を画し過ぎじゃない?


バタンッ


ボス部屋の石扉が閉じる音がした。ボスか、恵奈の何方かが死ななければ開かない下手な仕組みのようだ。


———だったら、倒すしかないよねっ


「先手必勝!」

バシュッ‼︎


DSMR-01が火を吹く。


弾種は通常弾。この距離なら絶対に外さない技術を、スキルで身につけた恵奈の攻撃は、紛うこと無く蠍に命中。


・・・したはずだった。


カンッ

「うそぉ⁉︎」


硬質な音と共に弾かれた。曲がりなりにも軽車両だったら貫通するような弾丸が、である。あの外殻は文字通り蠍の装甲板だったことが証明された。


———キシャァアアアッ‼︎

「やっぱり一線を画し過ぎでh———ッ⁉︎」


あの巨体からは想像もできない速度で接近してきた蠍から、恵奈は距離を取る。近接戦闘が全くできない為、これは当然の行動だった。


しかし、蠍は恵奈の想像を超えていた。


「ッ」


【肉体強化】全開。


思いっきり横に跳ぶ。


ヒュッ!と、恵奈の横を高速で飛翔したソレ。


スキル【弾道予測】が機能しなければ確実命中していたソレの正体は、蠍の尻尾に備わっていた毒針。それが、なんと射出されて飛んできたのだ。


回避した先で、冷や汗を掻きつつ着弾点を一瞥。


ジュゥウウ・・・


突き刺さった毒針の周囲が、すっぱい嫌な匂いを起てて溶けていた。


酸である。


それも、とても強力な。


「———ぶねっ!」


突き刺さっていたら、刺し傷と共に身体が爛れていただろう。これでは、先に取得した【体力自然回復速度上昇】など気休めにもならなそうだ。


幸いなのは連射は効かないようで、生物?相手に使う言葉なのかわからないが、針の次弾装填にも時間が掛かる様子。それでいて、再装填前では尻尾の針で突き刺す等の攻撃ができず、鞭のように振り回すしかないようだ。


と、攻撃を回避しつつ考察する。


まぁその鞭攻撃でさえ、一撃いただけばボス部屋の端まで吹き飛ぶことだろう。ステータスが上がっていなければ確実に決められていたはずだ。


攻撃を避け回避し、逃げに徹する。


その間、恵奈は弾倉を交換した。


あの蠍には、通常弾では埒が明かない。


ならば、レベルを上げた【弾薬生成】にて制作可能となった、新たな弾種の出番だ。


コッキングレバーを引き、使用済み弾薬を排莢。レバーを押し戻すと同時に、薬室内部に装填された新たな弾薬は、鋼鉄の弾芯で装甲を侵徹するのに特化した”徹甲弾”。


「食らえっ」

バシュッ‼︎


音速で甲殻に着弾。


ギャンッ‼︎‼︎


金属が無理矢理裂かれる異音が響き渡る。命中した場所は、最も装甲圧のありそうな右の鋏部分であり、徹甲弾は本来の役目を忠実に果たした。


———ギィイシャァアアアッ⁉︎

「効いてるっ」


乱雑に捲れ上がる外殻。弾頭に抉られ、飛び散った淡紅の肉。


右の鋏は大破した。


ガチガチの装甲に身を包む蠍に対して、徹甲弾は有効性を示す事が確認できた。


———ジィイイイイイイィイィイッ‼︎‼︎


怒りに耳障りな奇声を挙げ、我武者羅に振るわれる鋏と尻尾、そして飛来する毒針。それらを距離を取り躱す、躱す、躱して次弾装填。


狙うは鋏より柔らかそうな胴体。


発砲。


ギャン‼︎‼︎


鋏と比較すると薄い外殻を貫通し、弾丸は体内を穿つ。


そして。


ドゴンッ‼︎


蠍の内部で爆ぜた。


———ッ⁉︎⁉︎⁉︎


左半身の様々なパーツが周囲に四散する。


徹甲弾よりやや柔らかい弾頭が外殻を突破した所で、遅延信管が動作、炸裂することにより、対象を内部から破壊するそれは、もう一つの新弾種”徹甲榴弾”の効力だった。


先の鋏の大破よりも大きいダメージに、蠍も声にならない悲鳴を上げて地に倒れるを得なかった。


当然のことだろう。


何せ、胴体の左半身から吹き飛んだ影響で、左第一及び第二、第三足を消失。体内で爆発があったことで、体内組織や内臓にも多大な損傷を被っている。


しかしまだ生命力が有り、無い足を他の足で補って立ち上がろうとしており、尻尾に至っては毒針の再装填中であった。


流石はボスモンスター。


だが現状、何も出来ない敵を攻撃するならば、またとないチャンスである。


再装填を済ませたDSMR-01を構える。


狙うは、頭部。


「これで、終わりッ!」


バシュッ‼︎



『レベルアップしました』

『レベルアップしました』

『レベルアップしました』

『レベルアップしました』

『レベルアップしました』

『階層主の討伐が確認されました。スキルポイント+10の討伐報酬が付与されます』

『人類初の階層主討伐が確認されました。特別報酬が授与されます』

『特別報酬の授与が完了。特別スキル【畏怖領界】を付与しました』

『一定時間内の階層主ソロ討伐が確認されました。特別報酬が授与されます』

『特別報酬、装備品”孤高なる装衣”を獲得しました』


がこんっ


宝箱が落ちた。

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