将棋を舞台に情念が渦巻く。

ペルーのノーベル賞作家バルガス・リョサが同じ場面を複数の登場人物の目から繰り返し描くことで語り尽くせぬ現実を炙り出したように、本作で著者は一つの盤面を巡るいくつもの想念をまとめ切った。長い螺旋階段を登り切ったあと、高い見晴台から空を見渡すような読後感。

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