第15章 退院後
3/14 抜糸
退院後1週間が経った。経過は順調だと思う。思っていたより回復速度はスローだけど。
リハビリ(特に曲げる事)は一生懸命やってるけど、中々うまく曲がってこない。退院時に比べたらマシだけどね。
やっぱり俺の住んでいる野辺山は寒いし、このところ天候が不順で気圧の変化っていうのにかなり影響を受けるのかなって思う。
リビングに風船みたいに空気で膨らんだ雪だるまが置いてあるんだけどさ。その雪だるまがすごくしぼんでいたりパンパンに膨らんでいたりするわけ。たぶん気圧とか気温によって。
人間の身体もこんな感じで影響受けてるのかなって思う。
雪だるまがしぼんでいる時は痛みが出たり調子悪い感じだから、この雪だるまくんがバロメーターになる感じかな?
痛み止めを飲んでいれば、まあ痛みに問題はない。薬効がきれるとズーンって痛いな〜、曲げるのいてぇって感じ。
これまではさ。薬って出来るだけ飲みたくねぇ、そんなのに頼らずに自己の回復力で治すんだ、みたいな思いが強かった。
その考えはちょっと変わったかな。ず〜っと飲み続けるのは問題あるかもしれないけど、痛みを我慢していると慢性的な痛みに繋がるっていうような事を本で読んだ事が大きい。
それと飲んだ方が良いリハビリが出来る。
今回だって飲まなくたって我慢は出来るけど、1週間処方箋通りに飲み続けている。
しっかり飲んでしっかり動く、今はそれが大切だっていう思いだ。
焦らずに淡々とやってきている。
術後15日の今日は外来で抜糸だった。
「どう?」
「順調だと思う」
T内先生はその答えに「良かった」と喜んでくれた。
ベッドに寝っ転がって、抜糸はあっという間に終わった。何か話してたかな? あれ? 後になって抜糸やってくれたのかな? って思う位。
何の痛みも変な感触も無かった。
「貼ってあるテープは明日剥がしていいから。シャワーは直にオッケー。お風呂に浸かるのは1週間後から」
飲み続けている骨粗相症予防の薬をまた3ヶ月分処方してもらって、特に問題が無ければ、次の外来は3ヶ月後で良いという事で予約を入れてもらった。
今回は関節砲を開いてるから、術後痛みが1ヶ月位あるのは普通らしいし、3ヶ月位続いても異常ではないとの事。それが普通であるなら痛みがあっても安心って事だ。
N嶋先生のリハビリに繋いでもらって、リハビリを受けた。
どれくらい曲がるか、その時痛みがどの部分に出るかなどを見てもらいながら先生の手技で曲げ曲げ。
うつ伏せになって膝を曲げる運動は11月以降一番苦手(痛みが出る)な曲げ運動で、4ヶ月間まともにやってこなかった運動だ。
ゆっくりと少しずつ曲げてもらう中で、「あ、意外と大丈夫」という感覚で少しずつ曲がる角度も大きくなっていった。
これは嬉しかったな。
仰向けで曲げる。お皿の少し上の左右の筋肉のスジのようなツボみたいな所を押してもらいながらの曲げ伸ばしで張っていた筋肉が少しほぐれていくような感覚があった。
自分でもココをほぐしていってあげるといい。お皿の下の方とか傷のある所はまだほぐすような事はやらない方がいいとの事。
リハ室にあるリカンベントっぽいエルゴメーターに少し乗ってみる。ペダルを回す事ができる膝曲げ角度はギリだ。何とか回せるけど、気持ちよく回せないし、1分位ノー負荷で漕いでいく中で良くなってもいかないし悪くなってもいかない。
膝曲げ伸ばしの施術を挟んで、3回1分位乗ってみた。少しずつマシになっていった。
1段階だけ負荷を上げてやってみたけど、感じは0負荷と同じ。スムーズに曲げる事ができるようになりさえすれば、少しの負荷は問題なさそうだ。
よし! 今度こそは快方に向かいそうな予感。丁寧に少しずつやっていこう。
宇宙旅行から帰ってきた時に浮かんだ言葉"調和"を大切に。
そうそう、今回の手術前に外来で一緒になった高校時代からの友達Cハンが、何と偶然同じ日の同じ時間の外来となっていた。
先生、合わせてくれてるのか? スゲー偶然だ。
なもんで、ちょっと遅めのランチを一緒に食べて、外来待合でずーっと楽しく過ごせた。
思うようにいく事もいかない事もあるけれど、一緒に頑張っていけるってのは嬉しい事だ。
3ヶ月後の外来で「調子いいぜ!」って言えるように焦らずボチボチやっていこう!
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