第2話 続、治療中

 いきなりですが、暗い話です、母の病状が悪化しました。

 発見時は3㎝の肺線がんで、初期はステージ1Aで、若干大きいから1Bでしたが、手術後の細胞検査で、何処かに流れたっぽい雰囲気が有ると言う扱い、再検査で、同じようなサイズのが、同じ場所にもう一度発生していると言う所見。

 この時点でリンパ節転移を疑われる為、ステージ2。

 基本的に再手術は禁止と言う事で、抗がん剤を使用。

 世代的に古くて何にでも効くけど、副作用がキツイと評判のシスプラチン。

 母のには余り効かず、2回の抗がん剤チャレンジで、血液検査の白血球の数字が足りず、体力も持たず、ぐったりしたので、自宅療養と分子標的薬、イレッサにシフト、一先ず効果ありと言う事で、増殖は止まって居ると安心して居ました。

 免疫チェック阻害剤と言われる方の新薬、オプチーボやキイトルーダは、遺伝変異的に型が違うという事で残念ながら不採用です。


 ガン治療は、この現在の治療で時間を確保している内に、新薬開発を待ち、ソレが間に合うかが勝負の分かれ道です。


 ソレがかれこれ9年前です。

 肺がん発見後の6年生存率は10%とかです、十分生きていると言いたい所ですが、未だ自分で歩いてますし、料理もします、運転も出来ています、寝たきりにも、未だ早そうです。

 砂糖の1キロ袋や、牛乳の1Ⅼパック等の重量物の運搬、新品ペットボトルの蓋を回すのは私等の仕事に成りましたが。


 ですが、先日、突然に背中が痛いと言い出しました、念入りに再検査です。

 副作用と年齢による骨粗鬆症で背骨が骨折したか何かだと、楽観して居ましたが、そうは問屋が卸さないようです。

 背骨への転移、所謂ステージ4と言うヤツです。

 抗がん剤治療中に、がん細胞が薬剤耐性を確保して変異して、再増殖を開始した様子です。


 痛み止めは、今話題の麻薬系、フェンタニルですね、効果時間はとても強いですが、切れた時に素人判断で追加とか出来ないので、中々難しいようです。

 時々、活動時間の最後に薬切れたと嘆いて居ます。


 さて、例の新治療は間に合ったのか? と言う賭けの結果ですが、分子標的薬が一つ増えたのと、放射線治療が標準治療、保険着用に含まれるようになりました。


 狙っていた新薬のテロメライシンやら光治療はどうやら間に合わない様子です。

 コロコロ系のせいで治験の進みが悪いにも程がある感じですね?

 まあ、新薬開発はそんなもんです。


 重陽子線治療は標準治療に含まれず、保険着用外なので一発200万とかかかるようです、まだまだ高いですね?

 ガン保険に先進医療特約つけてりゃ大勝利ってやつですが、今回は付けて居なかったので、そう上手くは行きません。


 所で、MRNA系のワクチンでガン治療に使えるやつが有るけど、そんな効果がある薬品なんて山ほどある、余計なもん作るな何て言ってる、反ワクチンの阿呆が居る様子ですが。

 ガンの変異は千差万別です、原発が何処のがんで、遺伝子変異が何で、どの薬に対応が有るかなんて、素人が口出しで来るとでも思ってるんですか?

 効果が同じでも、効果が出るメカニズムは薬剤毎に違います。

 素人は黙っとれ案件でしかありません、コレも、作者として、訳が分からない思考回路の整理の為に書いてるだけです、別に助言とか、未だ知られて居ない新治療とか、そう言うのは求めてません。

 基本的に標準治療以上の治療と言うのは、存在しないので、そこらに議論の余地はほぼ在りません。

 作者と言う生き物は、文章化しないと思考回路が整理できないのです。

 まあ、こんな乱文で、参考になった何て人が居たら、感想で一言でも入れておいてくだされ。


 そんな母は、毎週末に温泉に通いつつ、放射線療法を開始しました。

 日帰りで平日に毎日通って10日ほどが1セット、保険着用の高齢者医療で1セット負担金は20万程。大分安くなりましたね?

 因みに、検査のPETCTは1回につき負担金は高齢保険着用2万円程、人間ドックのセットでやると異様に高いですけど、既に病状の診断ある場合は安いもんです。


 出来る限り、長生きしてほしい物です………

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ガンの話 峯松めだか(旧かぐつち) @kagututi666

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