高校生の伏見大吾は、ある日、奇妙な気配を感じます。現れたのは、もちもちとした不思議な存在でした。白くて柔らかく、時には人型になり、時には小さくなる「もちまる」との出会いが、大吾の日常に小さな変化をもたらしていきます。
もちまるとの冗談交じりの会話の中に、どこか真剣な思いが見え隠れします。名付け親になった大吾と、懐こうとするもちまる。彼らのやりとりは微笑ましく、時に寂しさを感じさせます。どうやらもちまるはただの妖怪ではなく、大吾の周囲で起こる不穏な出来事を敏感に察知しています。
物語が進むにつれ、大吾は「目に見えないもの」と向き合わざるを得なくなります。クラスメイトの光瀬の異変を知ったとき、日常と非日常の境目は少しずつ曖昧になっていきます。友人との関係、心の揺らぎ、そして何かが近づいてくる気配。
見えているものだけが真実とは限らない。目には映らなくても、大切なものは確かにそこにある。大吾ともちまるのやりとりの中で、それがじんわりと心に響いてきます。