ああ、美しい物語でした。砂はさらさらと砂漠を渡り、水は巡り、一人の少年は、砂竜の命を救う。砂竜。砂を食べ、一人の成人と絆を結ぶ、特別な竜。絆が美しく、人の思いが、人生の歩んだ軌跡が、巡り、時には人から人へと巡り、最後にはあるべき場所へと、すとんと落ち着くのです。作者様は、残酷ではないけど人の死が語られるので、暗い物語かも、と心配なさっているようですが、とんでもない。夜空を見上げ、星の瞬きを見上げるような、命の輝きを見る思いです。感動します。ぜひ、ご一読ください。