第49話 ナナシな彼女
ワタシ、久我ナナシは
この前の依頼を契機に、前職をやめ
今は、ニートだ。
実家に住んでいる。
実に平穏な日々だった。
両親は確かに仕事を探しなさいとうるさいが
前職も、人から非難されるような職だったため
働かないで済む、ニートの方が何遍もマシだ。
あの日も、こんな平穏な日々が続くと思っていた。
2日前のことだ。
ピンポーン
インターフォンが鳴る。
「はーい」
(宅配便かな?)
そんなことを考えて、ドアを開けると白衣の女性が
玄関に立っていた。
「やっぱりココにいたか!君、確率分布がほぼデルタ関数だよね!。」
「神代凛音!?」
神代凛音
裏社会では、ノーベル賞候補の最有力候補であるレベルの頭脳を用いた。
完璧な未来予知とその破天荒さから、《ラプラスの悪魔》と言われ恐れられている。
また恐れられる理由の一端は、彼女の血筋にもある。
また、その類稀なる未来予測を気分で使うことも、裏社会では恐怖の的だ。
彼女の気分によって、潰された組織が何個あることか、、
「なんで、、ここに」
(せっかく足を洗ったのに)
なんで、彼女に追い詰められなくては、ならないんだ。
そんなワタシの怯えるを観ながらニコニコしていた
神代は、ワタシに一言。
「お化け退治にいこう!」
「はぁ?」
ワタシは絶句した。
◇
無我夢中で、
神代さんに指示された人を、倒したワタシは驚いた。
(お化けだ、、)
なんと、三人組追っていた
不審者たちの皮膚は半透明であったのだ。
そんな、気付きを
「いやぁ〜、仕事が早いね、ナナシちゃん。君は……有意義な変数だ!」
という、おちゃらけた声がかき消す。
「あっ、アリガトウゴザイマス」
ワタシは、神代とは目を合わせることができないまま
左下を向いて、世辞にお礼をいう。
すると
「お前達は、、一体?」
追われていた三人組の一人で“なんと”男性の人がワタシ達に話しかけてきた。
「“ヒステリシスループ描くタイプの感情波形君”!キミの事はユウマから聞いてるよ。」
訳がわからない。
この人は何を言ってるんだろう。
「テメェ何言ってんだ?」
男性が、文句を言う。
そうなるよな。
「まぁまぁ、話は後だ!いくよ!君免許あるでしょ」
「チッ、何がどうなってんだよ」
◇
神代は、免許がないくせにレンタカーを借りていたようで
さっきまで幽霊に追われていた“早乙女さん”という人に運転をさせて何処かに向かっている。
早乙女さんの話では、
彼は、自身の部下と北海道に出張に来てなんと記憶喪失だと思われる
少女、透子さんを拾ったんだとか。
「大変ですね、、」
ワタシは、巻き込まれた同士だとわかり彼らに
同情に近い共感が湧き起こった。
「本当ですよぉ〜」
秋津さんが、疲れた顔でそう口にする。
どうやら、幽霊が相当効いたようだ。
「大変なのか?なぜだ!」
そんな、同情と共感の麗しい空気を神代がブチ破った。
「大変に決まってんだろ。話聞いてなかったのか?」
早乙女さんが、運転をしながら視線をフロントガラスから変えずに
神代に意見する。
「はぁ。キミたちの思考関数、非線形すぎ。わら」
神代が何を言ってるのかわからない。
しかし、バカにされていることだけわかる。
「記憶喪失の女の子ですよ、大変でしょ」
ワタシも、反論してみる。
秋津ちゃんも、同感である顔をしている。
仲間がいると心強い。
「何処にいるんだ?記憶喪失の女の子が?」
「え?」
「だって、彼女は自分が記憶喪失です。とカミングアウトしたのか?」
「だってそれは、、」
「だってもない。まぁ確かに、少女も人わがるい。もう十分に私たちは巻き込まれているんだ。話をしてくれてもいい。勿論、こんな簡単な構図。ワタシは、話を聞かなくてもわかるが」
秋津さんは、透子ちゃんに視線を合わせ
尋ねる
「本当なの?透子ちゃん?」
透子ちゃんは、静かに頷き自分がどうして
ここに居るのかを語り出した。
自分が、未来人の作った国にいること。
そこでは、人間は幽霊になる義務があること。
そして、自分とその兄は幽霊になりたくなかったから
大砲に乗って逃げ出したこと。
「非科学的すぎる、、、」
ワタシはどうしても、こんな話を信じる気には
なれなかった。
ワタシ以外もそうだった。
車内が、懐疑的なムードに包まれたところで
水城が発言する
「いまの話の何処が非科学的なことなんだ?」
「何処って、、、」
全てだ。
未来人、幽霊、、人間を飛ばす大砲
「全て証明できる。定義の問題だ。」
定義?
(どう言うことだ?)
そう発言する前に急ブレーキがかかり
早乙女さんが口を開く。
「まずい。囲まれた。」
「え?」
話に夢中で気づかなかったが、窓を見ると
何台もの車が、私たちの取り囲んでいた。
或る車から
一人の人物が飛び出す。
女の子のようだ。
そしてその女の子はトランシーバーで私たちに向かって
発言する
『逃げても、無駄だ。透子を引き渡せ。残念だったな神代』
「神代さん、彼女の知り合いですか?」
秋津さんが尋ねる
「しらん、忘れた」
「しらんって」
神代さんは相変わらずだった。
◇
他の車から、何人も
銃を構えた人たちが降りてきて私たちは
車から降りて透子ちゃんを引き渡すことを余儀なくされた。
「はっはっは!勝負あったな神代」
トランシーバーを持つ女の子が神城に語りかける。
両サイドには、銃を構えた兵士がいる。
厚い服装をしていてわかりにくいが、全員肌が半透明だ。
「誰?キミ?」
その言葉を聞いて、女の子は顔を真っ赤にする
「ボクのことを忘れたのか?ボクの発見を台無しにして」
「え〜私が?」
「そうだ!ボクの研究分野に抜け抜けと参入して」
「へぇ〜」
「キミがいなければ全波長位相一致制御を見つけたのはボクだった」
「へぇ〜」
「話を聞け」
神代が居るせいで緊張感にかける
そう、思った時だった。
神代が撃たれた。
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