第一章 悪役令嬢、仲間に出会う
1-1
「王宮
『女騎士(こむら返りに
……こむら返り……、
「ルイーゼ・ジュノバンですわ。タニアさん、
「タニアと、そう呼び捨てにしてください。シルヴィール殿下たってのご希望ですし、ご婚約者であるルイーゼ様の護衛に付けて、私には身に余る思いです。
キラッと光るような
こんな素敵な美人さんが護衛騎士など光栄すぎる。こむら返りに良く効く薬を後で
「はい! どうぞ、よろしくお願いいたしますわ、タニア!」
こうして私の善行令嬢計画の
近衛騎士を
凛々しいタニアに
「タニアとお揃いねっ!」
「ふふ、ルイーゼ様、光栄でございますっ! さあ、
タニアの指導の
「ルイーゼ様は努力家ですね。シルヴィール殿下とよく似ておられます。シルヴィール殿下も
「シルヴィール様が……」
『私は自分の文字を変えてみせるよ。そうしたら、君も変えられるかもっていう希望が持てるでしょ?』
タニアの言葉にシルヴィール様が言ってくれた言葉が
私も負けられませんわ! 善行令嬢になって、文字を変えてみせますわっ!!
同じ目標を持った仲間であり、競争相手であるシルヴィール様に負けられないと、今まで以上に
「さあ! 鍛錬ですわっ! 目指せ善行令嬢ですわっ!」
「はい! お付き合いいたしますっ!」
昼間は
悪いことや
婚約者であるシルヴィール様とは、あれから月一回、定期的にお茶会でお
けれども、同じ目標を持つ同志という
聞かれなくても、シルヴィール様より先に文字を変えてみせる!
剣術や体術、護身術を
「あ、
私の善行令嬢計画は終わることなく
***
季節は何回も変わり、私はもうすぐ十六歳になる。
私の頭の上には――
『悪役令嬢(
この十年くらい、
剣術の練習も日々の鍛錬も人一倍頑張ったし、厳しい王子妃教育も必死に
なのに……この文字は変わらない。
そもそもいつ『破滅する』という意味なのだろう? 来年か、また来年か……と
心身を鍛えたり、勉強を頑張ったり、善い行いをするだけではきっと
「まだまだ諦めませんわ! 最終目標は善行令嬢ですわ!」
メラメラと
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