女神様から「強欲」の2つ名を賜った七聖人であるシャロンは、貴族の御曹司にパーティを追放されたことで聖女を解雇されます。
シャロンは、以前からお金儲けがやりたかったので、他国で幽霊屋敷を格安で借りて雑貨屋を始めます!シャロンは、なぜかトラブルに巻き込まれますが、強欲の2つ名のとおり、お金を儲けようと立ち回ります。シャロンは、常に型破りで遠慮を全くしないので気楽に読めますね!
元聖女が商売を始める話はそこそこありますが、元聖女が強欲な方がお金を稼ぐ話は盛り上がります!聖女ってなんだろうっておもわなくもないですが(笑)。
シャロンは、格安で手に入れたものを高値で売って大儲けするという野望を達成することができるでしょうか?シャロンの活躍から目が離せません!
神官の叱責に逆ギレして、聖女を辞めたシャロン。彼女の新たな人生の目標はお店を開いて面白おかしく金持ちになること! しかし神殿育ちの彼女はまともな商売のやり方など知らず、さらに聖女資格を剥奪されたとの噂も出回りだして……。
わりと悲惨な境遇に見えるのだが、そんな心配が無用なぐらいにシャロンが良い性格をしているのが本作の最大の特徴! 「強欲」の二つ名を持つ彼女は、吸血鬼が店に訪れれば、「お金を払えば血を吸わせてくれる貧しい女を紹介しますよ」なんて言い出すし、薬を作れる化けギツネが現れたら、安く買い叩いて利ざやを稼ごうとするなど、発想がいちいちあくどい。そのくせその思いつきが商売繁盛に全くつながらない。
普通この手の主人公がお店を開いたら、元聖女ならではの着眼点や商品開発でサクセスストーリーを歩みそうなものだが、本作のシャロンにはそういった商才がまったく見当たらない……。なので、スラムの炊き出しに並んで食事代を節約したりする……。びっくりするぐらいダメだなこの元聖女!
そんなクセの強い彼女を支えるのは、人間よりも常識的な吸血鬼、化けるのが下手な化けギツネ、金銭感覚がいい加減なケットシーなど、シャロンに負けぬ変わり者揃い。この面子と共にシャロンは夢を叶えて商売で成功することができるのか? クセは強いが破天荒なシャロンの魅力にはまってしまえば、笑って楽しく読めること請け合いな一作だ。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=柿崎 憲)