第10話 隣の大嘘つき

 「今日さ、一緒に帰んないかな」

お弁当を出していたら、耳元で声がして、少し、戸惑ってしまった。心のモヤがまだ残っていて、とても恋愛なんてできる状態じゃないのに。でも、ここで断るのは、きっと、傷つけちゃうよね。だから

「ご飯食べにきたよー」

ふと、前を見ると、いつも通り、隣のクラスから、一緒にご飯を食べにきていた。しかも、最初から聞いていたのか、「今日は遊ぶ約束してるから」って代わりに追い返してくれたていた。少し心が楽になったのを感じた。感じてしまった。きっと、この人は私のことが好きで、だから、こうして誘ってくれたのに、なんで、なんで。本当に私は最低だ。もう、疲れた。疲れたよ。頑張ったんだから、もういいじゃん。ねえ、そう言ってよ。私、もう限界だよ。

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