第309話 極み晩酌コラボ その一

「──はい皆さんこんばんは。デンジラスのスーパー猟師、山主ボタンです。今日は料理コラボをやっていきたいと思います」


:ばんわー

:こんばんはー

:待ってた

:コラボ助かる

:ばんわー

:きちゃぁ

:きちゃ

:こんばんはー

:きちゃあ

:待ってました

:こんばんは


 というわけで、本日は料理コラボである。場所はいつものスタジオ。ゲストはこちらの方々。


「それでは、ゲストのお二人は自己紹介お願いします」

「はいこんばんはー! デンジラス一期生、皆をひっぱる私はリーダー、常夏サンだよー! 皆よろしくねー!」

「デンジラス三期生兼、四谷古書堂店主の四谷言葉です。今日はよろしくお願いいたします」

「はい、ありがとうございます。というわけで、本日はデンジラスが誇る二大酒飲み先輩に来てもらいました」

「まるで私たちが酒カスみたいな言い方」

「山主君……」

「唐突な被害妄想やめてくださいね?」


 誰もそんなこと言ってないんだよなぁ……。


「てか、その反応アレですよ? 『酒カス』って言われる自覚があるって認めてるようなもんですよ?」

「……まあ、酔っ払うとどうしてもね?」

「……私はほら、山主君の前で酔い潰れたこともあるし……」

「本当に自覚があるのもやめてほしいんだよなぁ……」


 シンプルに反応に困るやつなんですよねそれ。勘弁してほしい。


「まあ、それはともかくとして。とりあえず、今日はこの三人でお送りしたいと思います。そんでメニューに関しましては、ご想像の通りと言いますか」

「完全にお酒関係だよねー」

「興味と恐怖を感じている自分がいます」


:草

:やっぱり酒か

:そらそうよ

:草

:草

:実際怖くはある

:山主さんのお酒かー

:楽しみ

:何が飛び出てくるのやら

:草

:草

:でも絶対に美味いんだよなぁ

:裏山

:楽しみや

:草


 はい、正解。というか、ああいう紹介の仕方をしておいて、お酒関係以外を出すかって話であってじゃな。


「まあ正確には、ちょっと良いお酒とダンジョンの食材で一杯やろうって企画なんですが」

「ちょっと?」

「そのお酒本当に大丈夫なやつ?」

「十万ぐらいのお酒なんで」

「それは『ちょっと良い』じゃなくて『最高級』だよ!?」

「やっぱり大丈夫なやつじゃなかった!!」


 いやでも、用意したダンジョン食材に比べれば安い方なんで。相対的には『ちょっと良い』の範疇ってことでなんとか、はい。


「とはいえ、金額に関してはもう諦めていただいて。似たようなやり取り、もう何回やったか分からないですし」

「これに慣れろって言うのは人として無理なんだって」

「諦めたらそこで試合終了なんだよ? てか、人として終了だと思うんだ」


 うーむ。このへんの意見に関してはずっと平行線なのよなぁ。それだけ人としてしっかりしてるってことではあるのだが。


「しかしながら、食材に合わせると仕方のない部分もありまして。下手な安酒で済ませると、クオリティ的な問題も出てきますし」

「それで十万円のお酒が出て来る食材の時点でなんだけどね?」

「というか、そんな最高級酒で釣り合いを取ろうとする食材も怖いんだよね。そっちはいくらなのってなる」

「時価なのでなんとも。……まあ、最低でも二、三百万はいくのでは?」

「「高い高い高い!!」」

「ダンジョンの食材に関してはガチで諦めてください。あと、重量の関係もありますし」


:たっか!?

:知ってた

:草

:草

:相変わらず馬鹿

:そら十万の酒がいるわ

:ひぇぇ……

:草

:何が出てくんのよ

:草

:怖っ

:相変わらず高い

:草

:うーんこの


 てか、重量関係が高さの原因の大半……いや半分……三分の一ぐらいは占めてると言って良い。

 いやマジでさ。冗談抜きでデカイのよ、ダンジョンでドロップする食材って。肉を例に出すと、普通に部位丸ごととかが出てくるわけで。……しかもその部位もモンスター基準のサイズだったりするし。

 俺が出してる金額も、あくまで企業が買ったりするであろう金額。つまるところ原料の仕入れ値だ。

 だから市場に並ぶ場合は、もっと安くなっているはず。もちろん、店売り価格になっている分割高にはなっているのだろうけど。

 それでも百グラムあたり○○で、何グラムからみたいな感じで売られるであろうことを考えると……うん。

 クソ高いことは間違いないのだが、それでも意外と現実的な値段に落ち着いてくるはず。クソ高いけど。


「言うてそこまでですよ。店頭で販売するとなれば、ひと皿で十万届かないぐらいな気もしますし」

「そこまでとは」

「ひと皿で十万近くは普通に馬鹿のお値段だよ?」

「そうですか? 高級レストランなら、ワンチャンあるぐらいな金額でしょ」

「だからその『高級レストラン』の部分からして問題なのであってね?」

「石油王の視点で物事を語らないでほしいの。お願いだから」

「それなら神視点でもっとヤバい、寿命とか延びる系の……」

「第二回略式裁判をお望みか?」

「キミこの前反省会やったばっかでしょ?」

「……うっす、あっす」


 さーせん。謝るんでそのジト目は止めていただけると。はぁい。……でも寿命や若返りに関しては、水面下で狙いにいかせていただく予定なので悪しからず。


「──まあ、ともかく。そんなわけでね、本日のメニューについて発表させていただきたく思います」

「話逸らしたね」

「逸らしましたね」

「ふふふ。そんなこと言ってる余裕はありますかねぇ? 今日はマジで、お酒が好きなお二人特攻のメニューですよ」

「……ほう?」

「……そこまで言う?」


 そこまで言います! 少なくとも、ビジュアルは化け物レベルの破壊力だと言っておきましょう。……動画で調べたら本気でヤバかった。マジで美味そう。


「本日はですね──地上で言うところの『フグの白子』的なやつを、炭火の串焼きや松前焼きでいただきつつ、用意した純米大吟醸でキューっとやってもらおうかなと思います!!」


 それとは別に、純米酒を使った熱燗の白子酒とかもお出しする予定でーす。









ーーー

あとがき

そう言えば、小説版五巻の書影が出たってお伝えしましたっけ?

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