第6話意外と良い子?

今日は寺田は学校に来ており、いつも通り、俺の周りをうろちょろしている。

そろそろ期末テストがある頃だ。

部活が禁止になるとホームルームで言っていたが、そもそも部活に入ってない俺には関係がない。

中間テストでは、ほとんどの教科は80前後、だが英語は平均点以下のやばい点数だ。

中学校不登校だった俺には、英語はまったく分からない 国語は本を読んでればなんとなくわかるし、数学は昔から好きだったので授業さえ受ければ余裕だったが英語はローマ字がギリ読めるとかそんなレベルだった。

ローマ字がギリの俺には、英語のよく分からん読み方は読めず、意味を丸暗記しても、ほとんど意味がなかった。

俺が通う学校では、一年生の時の英語の授業が、コミュ、会話、文法の3つに分かれている

英語を勉強しないとな〜とか思うだけで、行動はしない なぜならハーフみたいな顔で英語ができるようになったら、マジで日本人か疑われてしまう。

俺はこれからも、英語わからないから日本人という意味のわからない理屈を唱え続ける!。

とそんなくだらない事を脳内で1人考え、つぶやく、きもい俺は今日も一日、平和なボッチ生活を過ごすのでした。

チャイムが響き、下校の合図が鳴る。

俺は図書館に向かい寺田は後ろをついてくる。

俺はいつものソファーに座り本を読み始めると、佳華が隣にポンッと座る。

「今日は早いな」

「まぁ中学生だからね」

佳華は中学の制服ではなく、いつも帽子とスカートを着ている 中学が終わり私服に着替えてるという事は家が近所なのだろう。

中学生の時ってそんなに早かったっけ?まぁほとんど行ってないから分かんないんだけどね。

「今日は寺田いるぞ」

「へぇ〜」

ほんとに寺田の事どうでもいいんだな

「翔っていつも何読んでるの?」

「ん? ボッチの主人公が捻くれた方法で問題を解決してく話の小説」

「何それ ボッチって翔みたいじゃん」

佳華が笑いながら辛辣な事を言ってくる

「おう 喧嘩売ってんのか?」

なんで俺がボッチだとバレたんだ?

「逆に前から図書館に来てるって言ってたけど、お前は何読んでんだよ?」

「私? 私は海外の本とか読んでたよ」

そう言い辞書とまではいかないが、それなりに分厚い本を持ってくる。

「なんか 意外だな ヤンキーみたいな見た目でちゃんとした本読むとか」

「だからヤンキーじゃないって」

「はいはい そうだね〜」

と我ながらうざい返しをする。

いつものくだらない話をしていると、寺田がこちらに来て佳華に行こうぜと言う。

はぁ〜 またこいつら吸いに行くのかと思っていると

「私行かないから行ってきていいよ」

と佳華が言い、寺田1人で図書館を出ていった。

「行かなくてよかったのか?」

「翔が吸うなって言ったんじゃん」

俺は少し驚いた。

確かに、喋ってる感じいい子なのだろうとは思っていたが、昔から吸ってるであろうタバコを知り合ったばかりの俺が吸うなと言っただけでやめると思わなかった。

俺は本に目を落とし、佳華は構わず、話をする。

時折、俺が反応し、くだらない屁理屈を言ったりする。

まぁ全く本の内容は頭に入ってこないのだが、そんな互いに気を使わなくていいやり取りは非常に心地よかった。




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