紹介文の冒頭に書かれた言葉は、今の若者らしく、大学を、そして人が生きることを、舐めきっていて、それで何も困ったことがなかっただろうことがうかがえます。でもね…… 人生は思いがけないことが起きます。遭遇するまで、そんなことが起こるなんて知らなかったことが。そんな経験を経ることは、青春の宿題です。若いうちにやっておきましょう。この小説自体もそう。甘く見てると……でも読後感は甘いです。いや、甘酸っぱさかな。青春の甘酸っぱさが特盛り。信じてもらえませんが評者が保証します。