神秘と冒険と友情をエスプレッソで
- ★★★ Excellent!!!
世界中の遺跡が『迷宮』と化し、そこからネブラと呼ばれる不死身の怪生物が出現するようになった世界。
ニューヨークで探偵をしている青年レオン。景気は良くなくともめげずに日々を過ごしている彼の前にある依頼人が現れる。依頼人は考古学の権威であり、ネブラの研究やその対抗策を研究するジョーンズ家のレイラ。その傍らに、彼女の弟でありレオンの七年前の親友『だった』セオドアの姿があった。
レイラの依頼で、レオンはセオドアと共にギリシャへ渡り、デルフォイ迷宮の『入口』を探索することになる。
半ばレイラに脅迫されるような形で請け負ったものの、セオドアとは確執が残るレオン。セオドアの方もレオンを良く思っておらず、非協力的な態度。
デコボコな二人は依頼を完遂し、ネブラの棲む迷宮の謎を解き明かすことができるのか?
……というお話。
性格面で正反対であり相容れぬ二人が、反目し合いながらも迷宮の奥に眠る謎に挑む正統で王道の冒険活劇です。
会話のテンポが良く軽妙なやりとりで物語の世界に引き込まれます。
その上でレオンとセオドアの二人の過去、ネブラと遺跡に眠る謎が絡み合って、やがて壮大なスケールで物語が展開していきます。
その上で長さは3万字に詰まっているのも魅力。
楽しめます。