風景画のような美しさの中に謎解きの余白

「アパルトマンで見る夢は」を読ませていただいた感想となります

視覚と聴覚の描写が丁寧で、読み始めてすぐに登場人物や空間の輪郭が立ち上がってくる作品でした。

一話目の監督の独り言は、この物語の方向性とテーマを静かに示していて、とても強い導入だと感じました。

読み進める中で、「才能とは何か」「それはどこから来るのか」という問いが繰り返し浮かびます。
モンマルトルの丘の描写は、その象徴のひとつで、風景画のような美しさの中に謎解きの余白があり、読者が物語に参加できる感覚がありました。

派手さはないのに、確かな余韻が残り、主人公がこの先どんな選択をするのかを見届けたくなる作品です。

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