第6話 どうしてこうなった!?
玄関からチャイムの音が聞こえてきた、麻莉奈さんが到着したのだろう。
チャイムの音はおじさんを急かすように何度もなっている。チャイムを鳴らしている人が知らない人だったらすごく怖かった。そんな事を考えながらドアを開ける。
「小太郎くんこんにちは!今日もいい天気だね!」
「麻莉奈さんどうも。結構な大荷物ですけどどうしたんですか?」
「これはね〜着替えだよ〜」
「なんで着替え?」
まるで泊まりに来ているような格好だ。もしかしなくても...
「お泊り会だよ兄さん。」
「な、なんだって〜!?」
「小太郎くんなんかアニメとかにある驚き方してる。」
「それはまあ置いといて。どうしてお泊りに?」
妹よ、ニヤニヤするのを我慢しているのバレバレだぞ。
「妹ちゃんに言われて泊まりに来たの。」
「我が妹よなんでそんなことを?」
「だって面白そうじゃん?あと川上さんはもっと兄さんと仲良くなりたいって言っていたからそれで気が利くとっても可愛い茜ちゃんはそれを提案しました!」
「...」
「わたし、小太郎くんの妹ちゃんに合ってみたかったし小太郎くんのそばにいたい...なので妹ちゃんに頼んでお泊り会をしようってことにしたの〜」
「妹、後でお仕置きな。」
「きゃー、兄さんにいたずらされる〜〜」
「小太郎くん...妹ちゃんに何しているの...?」
「ちょ...麻莉奈さん怖い、怖い!」
「良かったね兄さん美人な妹と可愛いお姉さんがお泊りだよ?興奮する?」
「ノーコメントで。それよりも私は普通にお泊りしたいって言ってくれればオッケー出すのに...」
「ごめんね兄さん今度からそうするね。」
「よし、いい子だ。」
「じゃあ、お仕置きはないって――」
「お泊り会が終わったあとに二人でゆっっっくり話そうね...?」
突然始まったお泊り会...小太郎は無事乗り越えることができるのか!?
「無事に乗り越えられると思っているの?」
「正直思ってない...って心の声を読むな!」
「すごいよ妹ちゃん!わたしも小太郎くんの心読みたい!」
「後で教えるね!あとあたしのことは茜って呼んで!」
「うん!じゃあわたしのことは麻莉奈って呼んでね!」
妹がもう麻莉奈さんと打ち解けている。コミュ力がお化けだから最近の若い子にはおじさんはついていけないな〜
「よし、麻莉奈ちゃん今兄さんが何か心のなかで独り言言っているから当ててみて、これは基礎中の基礎だよ。」
「うーん...『今日も麻莉奈さんは可愛い』かな?」
「兄さんは『あたしたちの話についていけない』って思っているよ。どうかな?兄さん当たってた?」
「当たってたぞ。顔とかに出てたか?」
「いや?勘だよ。」
「私の妹が怖すぎる件について。」
結構わかりやすいのかそれとも、長年一緒にいたからなのか妹はズバズバとおじさんの心の声を当ててくる。もしかして、今までそれを使い、禁書を探していたのかもしれない...信じるか信じないかはあなた次第です...
「とりあえず中に入ってよ、歓迎するよ。」
「ありがとう、じゃあお邪魔します。」
そう言って麻莉奈さんは靴を脱いできれいに並べた。やはり、川上くんのお姉さんなのかしっかりしている。
「じゃあ一応部屋の案内はしておくね...って言っても部屋はリビングと寝室、トイレとお風呂くらいしかないからね。トイレはそこの奥の方でお風呂はその隣。」
「うん、ありがとう。じゃあ茜ちゃん。」
「うん、わかっているよ麻莉奈ちゃん。」
「へ?」
「「いざ、小太郎くん(兄さん)の部屋へレッツゴー!!」」
まさかのおじさんの部屋に突撃された。
「麻莉奈ちゃん兄さんの部屋には幻の本があるんだよ。」
「へーみたいみたい!!茜ちゃんどっちが先に見つけるか勝負しようよ!!」
「いいよ!じゃあ制限時間は...」
なんか恐ろしいことを始めようとしている。流石にバレるのはまずい!!でも今回は絶対に見つからない場所にあるから探しても無駄無駄...
「よっしゃぁぁぁぁ!!!とったどーー!!!」
「くそう!!負けた!!茜ちゃん見つけるのすごい早いね!!」
「まあこの道では伝説と言われていましたからね。」
「なーにしてんだぁぁぁ!!!」
「わー、兄さんが怒った!!」
「うふふ、これは砂浜に行って『私を捕まえてご覧なさ〜い。あはは待て待て〜』みたいな展開が起こりそうな予感がするよ〜」
「そんな展開ないです!!」
おじさんは後で二人とゆっっっくりとお話した。
「ごめんなさい、もうしないから〜」
「小太郎くんはああいうのが好きなのね?お姉さん頑張るね!」
「麻莉奈さん反省してますか?」
「はい反省してますよ。」
麻莉奈さんは何を頑張るのか考えるのはやめておいたほうがいいと思って、もう何も考えなくなった。一難去ってまた一難である。
「それじゃあお遊びはここまでにして本題に入ろうか。」
「本題?なにかあるんですか?」
「そうとっても重要なことだよ。」
一日はまだ始まったばかりだ。
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