8月23日
なんだか気まずかったから、3日の時間を空けた。
いつもは違うのに、なんだか今日は緊張してしまった。
大きく息を吸って。扉を開けた。
そこには、いつもと変わらない笑顔の君がいた。
「あ、やっと来てくれた。3日間、寂しかったんだからね!」
少し怒った様子の君。
「ごめんね……」
何をいえばいいのか分からなかった。
重々しい空気の中、君が口を開いた。
「この前の、気にしてる?」
「……」
気にしている……のは本当だ。
実はあの後、病院から電話があった。
『彼女さんは、重度な病気なんです。あまり無理をさせないでください。今回の吐血も、外出による興奮のせいかもしれないと我々は考えています。もう一度いいます。無理をさせないでください。彼女さんを長生きさせたいのならば』
もう、関わらない方がいいかもしれないと思った。
だから、本当に行ってもいいのかと迷っていた。
「その様子だと、看護師さんが何かいったみたいだね」
「……」
「気にしないでいいよ。あの人、少し言い方が強いの。ほんと、気にしないでいいから、ね?」
気まずい空気が流れたままだった。
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