第23話 母旧知に会う

「ふぃ~、今日も無事終わったど~」


バッキバキですよ、バッキバキ。メッチャ凝ってるぅ~。

手、腕、肩、首、背中、腰、お尻に足全般。頭だけ大丈夫やわ~。

そんな事をぽろっと口にしたらさぁ…。


「馬鹿は良いよな」


ヴェっ!?言うてくれるやんけェ~ノブやぁん。


「ノブやんを侮辱罪で訴えるぅ!理由は分かっとるね?ノブやんが私を馬鹿にしたからやでぇ!?覚悟の準備をし~やぁ…近いうちに訴えるでぇ?裁判所にも問答無用で来てもらうしやぁ。慰謝料もたっぷり準備もしときぃ!ノブやんは性犯罪者なんやでぇ!刑務所にぶち込まれるん楽しみにしとけよしとけよ?ええなぁ!?」


「仕事終わりに元気過ぎんだろ…うるせぇな…」


伝わらんか~。まま、ええわ。よっこいしょういちっとぉ。

平日でも樽ぅは大活躍しとるわぁ…皆飲みすぎぃ!!


「ミヤちゃんお帰り?」


「せやで、うーちゃん。かよちゃんは?」


「今日は先に帰っちゃった~」


「おん?うーちゃんも帰りや?もう0時回っとるえ?」


「ミヤちゃん待ち。一緒に帰ろぉ?」(ちらちら)


「ほぉん?直ぐ片すわ、待っとりィ!?」


おらおら、おらおら!!ふぅ…背中痛いわぁ…筋肉痛ぅ~ですかねぇ?


「ノブやんお疲れ~明日は朝からパンチコぉ?」


「うっせぇ!!はよ帰れ!!」


「へばな~」


よっしゃ帰るでぇ~。今日も瑞穂ちゃんに癒されよん♪

チャリンコロックOFF!!がちゃんこ…っと。


「ミヤちゃん凄いよね。ノブさんとあんな感じの会話できるなんて…」


「ほえ?ノブやんええ人やで?ただまぁ、女性不信なだけでね」


「え、そうなの?普通に有田んにも怒ってますよ?」


「まぁ、あれやで。ノブやんの中で基準があんねん。いっぱい頑張ってる人は認める的な?そんな感じ」


「ほぇ~。ミヤちゃんって誰とでも仲良くなれる?」


「ムリやで?そう言ううーちゃんも…」


ぷぷー。端っこ走っとるんやん…クラクション鳴らす必要ないでぇ?

横並びしたら危ないやん…こんな時間に軟派かぁ?


「都~、おひさ」


顔見知りが登場しちゃった。何でここに居るんですかねぇ?


「あれ?まっつん、どうしたん?」


「たまたま見かけたからね。今帰り?」


「そやでぇ~」


「え?ミヤちゃん、この人誰?」


「うん?この人はな、刑事さん。国家権力者やで?」


「え?」


「よろしく、都の同僚ちゃん?あ、都、ちょっとだけ話せる?」


「ええで?ファミレスでも寄る?」


「この近くに有ったよね?そこで待ってる」


「おっけ~。先行っといて~」


「お~」


んも~高級車に乗っちゃってさ。って…その車覆面やん。

なんか捜査中か?お仕事中にええんかい?


「うーちゃん、家まで送るよ~」


「え?いいよいいよ。刑事さんでしょ?早く行かなくて良いの?」


「ええのええの。変質者が居るかも知れへんで~。行こか~」


チリンチリーン♪夜やから鳴らさんけどね。

うーちゃんの住んでるとこ職場から近いなぁ。もう着くわん。


「…どう言う知り合いなの?」


「昔にお世話になったんだよね。あ、捕まったとかじゃ無いからね」


「そ、そうなの?」


「そうだよ(自己擁護)。この話は長くなるから、今度時間ある時に教えたるわ~」


「いいの?気になるのは気になるけど…」


「ええよ。別に隠す事でも無いし」


「はぇ~。何かミヤちゃんって…波乱万丈?」


そうだよ(肯定)。こう見えて結構頑張ってんで?

ほなな~。ちゃんと休んで勉強しなはれ~。

えっと、ファミレスファミレスぅ…チャリンコ止めて、階段歩くぅ!!


「連れが待ってるんだけど、あ、いたいた」


お兄ちゃん店員、夜やからって気ぃ抜いたらあかんでぇ?

客はなぁ…自分勝手やさかいなぁ…げへへへ。

はぁ~どっこいしょ。兄ちゃんカモ~ン。ピンポーン!


「改めて、久しぶりね都」


「そやね、松井優子まついゆうこ警部補殿」(敬礼)


「残念。今は昇任して警部なんですよ」


「やべっ、はは~」


「あはは、変わんないな~元気そうで何より。瑞穂ちゃんも元気?」


「元気元気。朝からご飯お代わりするくらいには元気やで。あ、お兄さんアイス1つとホットコーヒー1つ」


昔に助けてくれてからのお付き合い。本当は駄目らしいけど…。

いや~、あの回してもらったバイト以外は感謝してるよ。はっはっは。

オレァクサムをいつかムッコロス!!

小っちゃい頃の瑞穂ちゃんによぉ、あん時ずっとくちゃいって言われてたんやぞ?

恩人だから許そうってかぁ?いや、ゆ"る"せ"ん"!!


「どうしたの?そんな怖い顔して?」


「いやぁ?べっつにぃ~?」


「ま、いいか。ところで…これ」


「ん?なんですのん?」


紙ぃ?勉強はしとうないぞよ?見ろって?

どれどれん?おん?捜索書?ほんほん、名前~外見特徴~古い写真~と~、私やん。


「え?なにこれ?」


「探し人…見てみなさい」


「…うわぁ…マジぃ?」


「親御さんよ。今になって探し始めてるの。私の一存で止めてる状態だけど…どうする?」


「どうするもこうするもさ~?逃げた私も私だけど…今更やん。勘当されてんねんで?日付なんてつい最近やし…。ポッと思いだしたぁ、世間体気にされるしぃ出しとこ~。みたいなノリじゃん?そもそも、何年経ってると思ってんの?」


まっつんの方に華麗に紙ぽいっちょ。ナイスキャッチ、まっつん。


「私もそう思うわ。そもそも、都や瑞穂ちゃんの事を考えたらそっとしておいた方が良いと思ったのよ。ちゃんと職もあるんでしょ?」


「そうだよ(切れ気味)。ぷんぷん」


疲れた体に染み渡るわ~。アイス美味ぇ。


「ふっ。まぁ、こういう事があってね。電話しようかと思ったけど、都っぽい人だな~って思ったら都だったし。丁度良いやって思ってさ。久しぶりに話したかったし」


まっつん…へっ、良い人そうに言ったって忘れねぇかんな?

てか…あの暗がりでどうやって判別してん、エスパーか?


「あ、良いっすよ。(快諾)って言っても近況報告位だよ?」


「それで良いよ。もう十数年の付き合いでしょ?」


「その内数年は地獄見させてもらいましたわぁ…」(ブチギレ)


「何言ってんの?手っ取り早く稼ぎたかったんでしょ?文句言わないの」


都よ…この美人顔に圧されるんじゃねぇ…。警察が何だぁ~お前ぇ…。

良いか見てろよお前ぇ…馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前ぇ!


「そう言えば…久しぶりにやってみる?最近人手が足りないのよね?」


「この話は終わりぃ!閉廷!以上!みんな解散!さいなら~」


誰がするかい!!今の瑞穂ちゃんに臭い言われたら生きてけへん…。

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