第5話 なんとかなるっしょ
あれ???
外は明るかった私一人以外誰も乗ってない止まった列車の中四人向かい合わせの席で目を開けた。
???ここは何処ワタシハダレ?
そう言えば昨日家を出る前は目も鼻も口も有るべきところにある事だけは確認してきた、もし朝起きた時の福笑い顔だったりしたらミイラの様に包帯で顔をグルグル巻きにしてでも家を出ないとって思ってたけどそうせずにただどんな顔かは見ずに家を出た、果たしてどんな顔になっているのやら。(やっぱり鬼瓦に戻っている気がする、私は手鏡を持っていないので確認できないし自分の顔なんて見たくない)
まあこんな所に居てもしょうがない、列車を降りてまだ薄暗いホームを昨日降りた場所まで戻ってみて時刻表を確認、始発が5時15分、ケータイで時間を確認するとまだ4時半だった、あと45分どうする?
ともかく何か飲みたい、辺りを見回しても自販機が無い、改札は無人で扉は開いたままなので戻ってくるつもりで切符は回収箱には入れずそのまま外へ出た、が思い直してトイレだけは片付けてきた。
駅を出たところに自販機が有ったけど真ん中に「故障中」の張り紙、なんてツイてないのと心の中でブツブツ文句を言って、(そう言えば私大金持ってたのよね)
昨日から何やってんだか状態の私、財布を落としたり或いは寝ている間に抜き取られたりしてないだろうか、ふっと消えた四人の事が気になった。
ポケットを押さえるとしっかり厚みのあるお財布の感触、とりあえず抜き出して確認してみたが切符を買うのに一万円を崩したから札束がぎっしりのままだった。
(子供の感覚で、母が持って行けと置いて行った10万円も入ってるし)
(皆さんごめんなさい、余計な疑い掛けてしまいました)
それにしても親切過ぎて(自分の母親に比べ)このままどこかへ連れ去らわれるんじゃないのとか少しは考えたけど朝になったらそんな人達居なかったかのように気配もみんなで何か食べた跡形もまるっきりなくなっていた、何だったんだろうあの人達始発を待つならあの場所で待っていたら良いものなのに。
まるで夢を見ているみたい、そう言えば一昨日から変な事ばかり続いている、私夢の中へ閉じ込められてしまっているような気がしてきた、だってあの母が10万円をポンと置いておくなんて私の常識ではありえない事なのだ(そこが一番とは情けない)
そう思ってもとにかくお腹は空くし喉も乾く、ふと思い出した夢の中で二つ貰って一つしか食べなかったパン(夢の中?だよね)
手提げバックを開くと有った「特別仕立てクリームパン」
夢じゃなかった。。。
一体何が起こってるの?皆さんどこに消えたの?
ともかくお腹は空いているが飲み物が欲しい、突っ立っていたってしょうがない自販機求めて足を進めると十字路で何故か右が気になった、第六感と言うやつかはたまた当てずっぽうなのかともかく細い路地を右へ進んでいくと家と家の少しの隙間にお地蔵さんが4体並んでいた、一番手前のお地蔵さんが赤く小さな帽子をかぶっていた。
ぞくり、昨日のおばあちゃんが被っていた帽子とそっくりそして表情もそっくりそのままだ、他の三体を確認しても頭に残った記憶そのままの姿、一番奥のちょっと大きめのお地蔵さんは少し怖そうだったおじさんそっくりだった。
ぶるっと震えたが思い直した、お地蔵さんたちが守ってくれたんだ、きっとお供えされた食べ物を分けてくれたんだ。
前にしゃがんで手を合わせる。小さな声で
「守ってくださってありがとうございました、あのままだったらどうしていいのか迷っている所でした」
貰ったパンを置き直すのもなんか変だ、何か買ってきてお供えしなければ。
ケータイにしては大きめの画面で「食料品」と検索してみた。
検索結果を一つづつ確認してみるけど当然ながらどこも営業時間外、ただ一つ隣の駅から少し離れたところに「コンビニエンスストアー」が営業中だった。
マップで見れば一本道でここから4kmらしい、駅に戻って始発には間に合うけれどなぜか歩いて行っても変わらないような気がした、なにせこの道を真っすぐ進めば迷うことなく着きそうな分かり易い道のりに思えた、行っちゃお。
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次は話を一話に戻します。
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