6-4
10月になって、ようやく授業が開始された。だけど、まだ、一部の専門科目だけで、あとはオンラインのままだった。最初の登校日、私達ふたりは、申し合わせてニットのAラインのワンピースにヒラヒラした襟の白いブラウスで揃えていった。
同じ、学部だけど学科が違うので、講義も違って、岬とは別々の教室になってしまった。だけど、席に座って授業が終わった後、近くにいた子が話し掛けてきて
「私
「えっ ううん 私 舟留美海 美しい海って書くの」
「そう 可愛らしい名前やなー ウチはな こう書くんや」と、メモに字を書いて見せてきた。
その後も、何人かと自己紹介をして、教室を出たんだけど、光瑠という子が後からついてきていた。私は、岬の教室を目指していると
「なぁ なぁ ミミちゃん この後 なんも無いんやろー お茶しようよー」
「えっ うーん いいけどネ 私 友達と会うから・・ほかの学科」
「ほな 一緒にナ」と、慣れ慣れしかった。いきなりミミちゃんって・・。
岬の顔が見えると、お互い手を振って
「どうだった? 授業」
「まぁ 最初だしね でも、先生も緊張してたみたい」と、岬は私の後ろに居る天野原光瑠さんを見ていた。
「天野原光瑠です ミミちゃんとお友達になりました よろしくお願いしま~す」
「うっ ミミ・・・ 友達? あっ 私 白岩岬です」
その後、3人で大学近くのカフェでお茶を飲むことにした。
「二人とも 上品な服なんですね ミミちゃんなんか教室で目立ってました 可愛いって 岬ちゃんもスタイル良いし、美人です さすが東京だ」
「ふふっ 私達 特別に考えてきたのよ お嬢様クラブ」
「へっ なんです? そのお嬢様クラブって?」と、光瑠はブラウンのトレーナーにベージュのストレートパンツなんだけど、サラサラの長い髪の毛で、それを少し掻き揚げるようにして聞いてきた。
「私達 高校も一緒だったの 今 マイナーではやっているのよ お嬢様ごっこ だから、私達も お嬢様ぶってるの 恰好だけネ 本当はお嬢様じゃぁないよ」
「へぇー そーなんだぁー だから、上品そうな恰好なんだ ウチ 見とれたわー そやから、ミミちゃんを見たとき わぁー 上品で可愛いぃー らんまの天童あかねみたいと思って 声掛けちゃった」
「ふふっ ありがとうネ 私 誰も知らないから 不安で だけど、天野原さんが声掛けてくれたから、皆も話し掛けてくれたワ」
「そーだよネ 初対面の雰囲気 やーだよね でもな ウチ 関西やから 気にせーへんねん」
「天野原さん 関西?」
「そーやぁー 関西ゆうても 滋賀県の大津 両親は大阪やけどな 引っ越してなー それでな ウチはおとんの姉さんの家に居候 板橋の常盤台におるねん あぁ ウチのことも光瑠でええんやでー なぁ ウチもそのお嬢様クラブに入れてーなぁー ウチ 高校の時ソフトテニスやっとったから、色くろぅ見えるけど、ほんまは白いんやでー」
「ええ いいよー なぁ 岬」
「ウン ええよー ふっ 言葉 移ってしまうネ アカサみたい」
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