リアル (一気読み後の追記あり)
- ★★★ Excellent!!!
描写が細かく非常にリアリティがある。
日常の仕事シーンは豊かな知識によるものと思われるし、たっぷりの文章量で描かれた仕事パートでキャラクターの特性としてしっかり植え付けられる。
セリフも叩き売る程あり、皆性格もそれぞれ口調に出ている。
特筆したいのは序盤の食事シーン/食べ物の描写の上手さ。筆者が好きな食べ物なのか、思わず想像して釣られ垂涎しまう場面があった。
妻と過ごす時間を主人公が何より大切にしているのが、最近の章でもまた明らかとなり微笑ましい。
いち営業サラリーマンが経験するクローズドサークル内の大事件……ただ閉鎖されているだけではなく、外部でも方々で展開される秘密、殺戮、新たな火種の発生……息を飲む流れの数々に両手を上げてしまう。
物事の起こりまで丁寧に書いているため、「やつ」登場時の緩急が効き、平穏が崩されるまでの刹那的な絶望感や恐ろしさ、不気味さもピカイチだ。
異変発生後の各々の立場や立ち回り、間延びしていた女性キャラの発言とその大きな存在が際立つ。
(追記:目一杯の迫力と語彙で描かれた凄惨な場面は不思議と脳内に想像できた)
またこのシーン以降の描写も丁寧で、頭の中でキャラクターが動き回るのを感じた。
番外編に突入し真相に近づいているが、まだ二部も残っているそう。
今後も読み進めるのが楽しみである。