第25話

「私は、足助実あすけみのるくんの友人です」

「私は〜福岡で実さんにお世話になりました!」


「あぁ、実くんね」


まさか、実さん憧れの真奈さんと同じ事務所のモデルになるなんて。


「ということは、真奈の友達の友達ってこと?」


「まぁ、そういうこと?」


部外者だった、藤原さんが入ってきた。茶髪のきのこ頭だから…もろきのこだ。しかしなんできのこと真奈さんが一緒にいるんだろう?


「あの~ところで二人はどういう関係なんですか?」


「ほ、宝之華ちょっと…」


零さんに止められたけど、気になるんだもん。


「あー、一応彼氏かな?」


真奈さんは普通に答えてくれた。しかも適当な扱い。真奈さんってこんな感じなのか。彼氏いるじゃーん。実さんは結婚してんですけど。


「じゃあ、私からも質問させて!佐賀さんはー今佐賀さんじゃないんでしょ?つつじ?だっけ?」


「そうです。社長には言ってあります」


「へぇー。あんた知ってた?」


彼氏をあんた扱いとか。真奈さんひどい。


「いや、知らなかった。つばささんには言ったほうがいいかも」


「翼さん?」


「あなたのカメラマンです。私はアシスタントなんで」


「へぇー。その人怖いですか?」


「…礼儀正しくしてもらえたら…大丈夫です」


「まじですか。こわー」


「あの、佐賀さん、だんだんくだけてますよ…」


「まーいいじゃん!ここで話すのもなんだしぃー。ファミレス行こうよ!」


なんか真奈さん、先人さんみたい。


「そうですね〜!それがいいですよー!」


私も賛同すると、早速ファミレスへ向かった。


「で?零さんとやら?あなた何歳なの?」


さっそく真奈さんに質問される零さん。


「え、私でしょうか?実くんと同じなので、真奈さんと同じです」


「うそ!まじー?すげー」


「すごい?でしょうか?」


「てゆーかまじで実くんと友達なの?意外なんですけどー」


真奈さんは言いたい放題だ。零さんをまじまじと見ている。これ打ち合わせなんだよね?


「ま、真奈。その話は後でいいから。…ところで佐賀さんは…この履歴書通り16歳ですか?」


「はい。そうですけど?」


「えーめっちゃ若いじゃん!てか結婚してること言わないほうがよくない?」


「…うーん。確かに、萩原はぎわらさんとか小暮こぐれさんが落ち込みそう」


「え?誰ですか?」


「カメラマンです。新しい子をスカウトしたことを喜んでいたので…2人にいい夢見させてあげたいんで」


「…なんかよくわかりませんけど、その人とかに言っちゃだめってことですか?」


「そー若いし!みんなに夢見させてあげてよ!」


「面倒だから、私たちと翼さん以外には言わないほうがいい。皆おしゃべりなんで、あの2人につい言ってしまいそうだし」


「はい、わかりました…」


芸能界ではないけど、いろいろ面倒。

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