マネージャーとの出会い

第13話

「零さーん!アイス食べますか?」


「え?あるんですか?」


「チョコのです。これうまいんですよ?はい、どうぞ!」


「ありがとうございます」


「いつもマネージャーが買ってきてくれるんですよ~」


「あぁ、そうなんですか。優しいんですね」


「そうなんですよねー!」


ピンポーンと、突然チャイムが鳴りました。


「あ、噂をすればマネが来たかも!」


「え…打ち合わせですか?」


「なんで?ここ一応マネージャーの家だし~」


「えぇ!?」


ま、まさか。わたくし躑躅零つつじれいは、人様のご自宅に勝手に入ってしまったということでしょうか?いや、でも宝之華は冷蔵庫からアイスを取り出していましたし。それに、私の家と言って連れてこられているわけですし。


ど、どうしたら…。


「ちょーっと!宝之華!早く開けてよ!!」


「も~開けたじゃん!」


「まったく!また私の買ってきたアイス食ってるし!…って誰!?このイケメン!」


スーツ姿のマネージャーさんに、やはりつっこまれた。マネージャーさんは女性なんですね。

は、なんとかしなくては!


「あ、あの私、躑躅零つつじれいと申します。申し遅れてしまい、大変失礼致しました」


「あぁん?だから、誰?」


宝之華ほのかの彼氏だよ?言ってなかったっけ?」


「え?か、彼…なにぃ!?」


マネージャーさんと目が合ったので、会釈しました。


「ちょ、宝之華!アイス食ってないで!そこ座れ!」


と、椅子を示された。


「えー溶けちゃうから食べてからでいい?」


「いーから早くして!あ、あなたもさっさと食べて座って!」


は、私もアイスを食べていたんだった。挨拶するときも持っていたということは、失礼なことをしてしまった。


「大変申し訳ありません…」


「謝るなら、私のアイス勝手に食べないでよね?」


重ね重ね、ご迷惑をかけてばかりです。まさか、別れろと言われるのではないか…?

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