第11話
天宮さんたちと約束をしてからあっという間に時間が過ぎて今日は約束の当日、日曜日になってしまった。久しぶりに休日、人と遊ぶので少しソワソワしながらお出かけの支度をした。
準備を終え、待ち合わせ時間の10分前に待ち合わせ場所に着いた。待ち合わせは駅前だったのでたくさんの人で溢れかえっていた。これをきっかけにみんなと仲良くなれたら良いなぁと思いながら時計を見つつ待っていた。
待ち合わせから20分経った今まだ天宮さんたちの姿は見えない。どうしたのかな?と心配に思っていると前から賑やかな集団がやってきた。たくさん人の中で彼らは一際目立っていた。
「千春?」
その集団の中から私の名前を呼ぶ声がしてみてみるとそこには大西くんがいた。よく集団のメンバーを見渡せば自分のクラスの一軍様たちが集結していた。
私はあまり関わりたくないなと思っていると大西くんは私のところに来て
「はよ。何してたの?」
と挨拶まじりに聞いてきた。
「おい!時風まさかデートか!?(笑)」
私が質問に答える前に一人の男子が声を上げて言った。すぐに否定しようとしたら
「そうなの?」
いつもより低い声で私を見つめながら、大西くんは尋ねてきた。
「違うよ!クラスの子に誘われたから待ってるだけ。」
そう答えると大西くんの眉間に寄ってたしわがなくなりいつもの表情へと戻った。だが他の男子たちは懲りずに
「誰だよ、お前みたいなボッチを遊びに誘うもの好きは(笑)」
「お前、とっくにクラスのやつに嫌われてると思ってたわ!」
と言ってくる。黙って聞いてれば好き勝手言いやがって、、、我慢していたのが抑えきれなくなり一言、言ってやろうと声を出そうとしたら
「お前らいい加減にしろよ。次、千春のこと悪く言ったら一生無駄口叩けなくしてやる。」
大西くんがとてつもなく低い声で殺気立って言うので周りの男子たちは一気に黙り込んだ。
結局、大西くんが男子たちを全員私に謝らせそこで一軍男子とは別れた。まさか一軍男子たちに遭遇すると思っていなかったので変に疲れてしまった。
天宮さんたちまだかなと思っていると
「さっきから千春は誰を待っているんだ?」
突然隣から話かけられた。声を上げて驚いたら
「驚きすぎだろ(笑)」
と私に笑いかけてきた。
「なんで大西くんがここに?」
「んー千春がいるから。」
私の質問にサラッとそう返す大西くんは私に水の入ったペットボトルを渡した。ありがとうとお礼をいい、財布を取り出し水の値段を聞いた。
「俺前で財布出すの禁止。」
かっこよくそう言う大西くんにいいのかなと思いつつ甘えることにした。
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