第17話 心の中の想い

私の心は 揺れ動く


いい加減で


最低な女かもしれない




―――― でも ――――




姉とアイツのツーショトは


私の胸を締め付ける





「…はあ〜…」



大きい溜息を吐きながら、ベッドに横になる私。


だけどすぐに私は外出をする。






♪♪♪〜…


【今、何してる?】

【良かったら連絡下さい】



私は美香菜にメールする。





♪♪♬〜…


【どうしたのー?】




♪♪♪〜…


【家にいても暇】

【つーか正直、居場所なくて只今、外出中…】




♪♪♬〜…


【えーーーーっ!外はヤバイよーーーーっ!】

【帰った方が良いってば!】




♪♪♬〜…


【嫌なの…二人の光景とか見るの】

【尋渡への想いと同居人の友矢に】

【フラフラフラフラ……って…】

【この想いどうにかしてーーっ!】

【愚痴っても仕方ないか…】

【充電切れる前に帰るね】





私は心配かけまいと、そういう嘘のメールを送り外出中




しばらくして雨が降り出す。




「嘘…雨降るって…ありえないっつーの!」




でも、帰る気などなく私はファーストフード店に入る。







✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕





「ねえ、藍李、知らない?」と、私の母。


「藍李なら部屋…」と、お姉ちゃん。


「それがいないのよ」


「連絡は?」


「したけど繋がらなくて」




「…………………」




「何処、行ったんだろう?」



「友達の家とか?」と、友矢。


「だとしたら一言言って出かけるだろうし」




「………………」



「まさか…!何かあったとか…?け、警察」


「待って下さい!いくら彼女でも、そんな事になる前に電話一本位は掛けてくるでしょう?」


「でも、外は雨だし…」


「兄貴は?」


「尋渡さんなら、まだ仕事から帰ってなくて」


「じゃあ、兄貴に一言言っておいたら?俺、連絡します」





「はい、もしもし?どうした?」

「兄貴、今、何処?」

「今?仕事場だけど、どうして?」

「藍李が、外出してるみたいで連絡つかないって今…」


「そうか…分かった。でも、俺はもうしばらくかかりそうだし、仕事終わり次第、また、連絡する」





しばらくして、雨は止み、時間は9時を廻っていた。






Trrrr……



Trrrr……




家に一本の電話。





「藍李…っ!?……尋渡さん…ええ…まだ…お願いね」







✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕





「彼女、ブルー入ってんの?」




ビクッ




《…ヤバ…気…抜いてた…》




「いや…えーと…待ち合わせ…」

「じゃあ待ちぼうけ?」

「ち…違…失礼します!」



グイッ

腕を掴まれる私。




「や、やだ、離してっ!」




バッ ドン

私は掴まれた腕をふりほどき、押しのけ走り去る。




私は、携帯を手に連絡しようとするが、電池切れだ。




「…嘘……電池切れ…最悪…」



何とか逃げ切り、私は足早に家へ帰宅する事にした。





「ただいま」


「藍李っ!!」と、怒鳴る母親。



ビクッ




「こんな時間まで何処で何してたのっ!?」

「えっ?…何?帰って早々、説教?」

「心配したのよ!」

「連絡しようとしたら電池切れだったから連絡……」

「公衆電話からでもかけられたでしょう!?」




言っている途中に母親から遮られた。





「何かあったら遅いでしょう!?」

「それは…でも!事情あって電話出来る状態…」

「言い訳言わないのっ!」



「……………………」



「分かった…分かりました!謝れば良いんでしょ!?御心配おかけしました!すみません…」





バシッ

頬を打たれた。


突然の一瞬の出来事だった。





「…っ…」


「開き直って逆ギレするのも甘えんじゃないわよ!!」




「…………………」



「出かけるなら出かけるって一言……」


「…私だって…私だって一人になりたい時くらいあるよっ!!毎日毎日、幸せ過ぎるお姉ちゃんの説教なんて、うんざりだよっ!!」


「…藍李…何言って…」


「兄も弟も独り占めしてさー、何っ!?マジムカつくしっ!!私だって…」




私の視界に階段に偶々降りて来ていた友矢に目が止まり視線がぶつかる。





「…………………」




私は玄関から一気に階段を駆け上がる中、その途中。


「藍李!」



グイッと引き止められる。



「…離してっ!」


バッと掴まれた手を振り放した。


自分の部屋に駆け込み部屋のドアを閉め、ドアに寄り掛かるとゆっくり崩れ落ちていく。





「…っく…」






打たれた頬かま痛むように


心も痛かった……




『私だって友矢の事が好きなんだから』




そう喉まで


込み上げる想いが


口から出そうになりそうだった……




尋渡への想いと


友矢への想い


私の頭の中はグチャグチャで


心の中もハッキリしない


中途半端な想いが


溢れそうになり


張り裂けそうだった……























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