第7話 偶然の再会
「ねえ、藍李、今度ちょっと付き合って」
美香菜が言ってきた。
「うん、分かった。良いよ」
「サンキュー」
そして、日曜日―――――
「藍李」
「あっ!来た、来た。美香菜から言っといて遅刻するとは…」
「ごめん、ごめん」
私達は出かける。
「藍李、最近どう?」
「何が?」
「お姉さんの旦那さんの事。もう夢中なんじゃない?」
「夢中も何もそんなの…もう…限界だよ…溢れる想いでいっぱい…」
「そうか…ねえ、告白したら?スッキリするかもよ」
「簡単に言わないでよ…そんな簡単なものじゃ…」
「そうだよね…ごめん、ごめん」
告白
自分の想い
伝えたくて
伝えたくて
仕方がないのが本音
――― でも ――――
自分が幸せになれるという
保証なんて 一切ない
だって結局彼は
私に振り向かないのだから――――
そして私達は街をブラつく中、美香菜が店内を周っている間、私達は別行動を取る事にし私は一人カフェにいた。
―――すると―――
「藍李ちゃん」
声をかける人影。
目をやるとそこには――――
ドキッ
「…ひ、尋渡さんっ!!」
「友達は?ショッピング、一緒にするんじゃなかったの?」
「あー、私は別にほしいのないし…もし出かけるなら一人で街ブラつくかな?」
「そう?」
「うん。今、友達、一人で店内周っているから、終わり待ち」
「そうなんだ。ここ、いい?」
「えっ…?あ、うん…でも…尋渡さん、お姉ちゃん達とデート…」
「いや…女の人って…買い物、手間暇かかるしだから、それに俺は運転手なんで」
「えっ!?」
「女の買い物についていけないから」
「えー、でも、お姉ちゃんなら洋服、お披露目して似合うかなー?とか見てもらいたいんじゃ?」
「サプライズも良くない?」
「えっ?サプライズ?」
「そう。何を買ったんだろう?って…逆に、そっちの方が楽しみが増えて良いと思うけど」
「…そうか…」
「藍李ちゃんは、一緒に見てもらいたいの?」
「えっ?それは…どうかな…?その時によると思うけど…」
「そうなんだ」
「うん」
今 目の前にいるのは
お姉ちゃんの旦那さん
そして私は
そんな あなたが……好き……
私の心の想いは
永遠に届かず
伝えられない――――
でも……この時間だけ
彼との楽しい時間を
過ごさせて下さい……
♪♪♬〜……
私の携帯に着信が入る。
美香菜からだ。
「はい、もしもし?うん分かった。すぐ行く」
ピッ
「友達?」
「うん」
「そうか。もう少し話し相手になってほしかったな〜」
「…尋渡さん…あのね〜…」
冗談だって分かっているけど
嬉しい言葉だ
本心だったら
どんなに良いかな……?
私は会計の伝票を手に取る。
「あ、良いよ。俺が出しておくから」
「…でも…」
「家族だろう?さあ、行った、行った」
私は席を外し店を後に出て行った。
「恋の味方は…永遠に…つかねーのかな?」
私を見つめながら尋渡さんは意味深な言葉(せりふ)を言った。
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