第6話 不思議は無知であるからこそ興味をそそられるのである。

「…クッソ…」


私は…無力だ…いやほんと…意味わかんねーよ…こいつ…

ゲリラ豪雨見てぇに隕石降らしてきやがるし、全人類に精神干渉しやがるし、地球のコア縮めまくって超新星爆発まがいのことするし…

挙句の果てに、太陽系の公転軸三角形にしやがるし、太陽の寿命あと一日まで減らしやがるし…自分の世界の惑星まで使って、相互衝突させてビッグバンっぽいのやろうとするしよぉ…

いや、一応なんとかはなったんだけど…対処に手一杯な私にどこから取り出したのかわからんクソデカ全属性持ちレインボーレールガン撃ってきたらそりゃあさ…


「しんどすぎるって…」


お陰で私の腹に穴空いたんですけど…再生できないんですけど。なーーーーんでですかねぇ????

破壊と再生属性をまとめるなんてアホみたいな事するからこんなことになるんですねなるほどわかります。

あぁ…ほんとクソ。イカレチートバケモノ。こいつに勝とうだぁ…?


「昔の私はひっどいジョークを言ったもんだなぁ…」


ま。でも勝てんくても負けるつもりはないんで。

諦めたらそこで試合終了なんで。


「死にますか。」

『はぁ…』


そのままアイツに特攻。全魔力一点集中。


…」














「共に散れ。。」


そのまま…私は力をすべて使い切り…ああ…守れなかった…?

うわ…体が消え…

い…やだ…


『はーい。終わりー。』


そのまま…へと帰るのだった。



______________________________________


「…うーん」


あーまたやー…ほんんんんんんんと。


『…自滅だめって言ったの分かんなかったかな?ん???』

「いひゃいいひゃいいひゃい」


みにょーんっとほっぺたのばされた。近くで見るとオルってマジモンに可愛いんだな…水色の髪に、目の中に宇宙でもあるんじゃないかってくらいに、光彩のなかに星のような輝きが散りばめられている。

鼻も、口も、眉毛も、顔つきも、髪の毛の長さから、爪の長さまで。

完成された造形美。これこそが神だと言わんばかりの理想で埋め尽くされた、完璧なスタイル。

女性も男性も、すべてを虜にする…


…私は何を言うとるんや。

間近に見たことないから見惚れちゃったわ。

顔面がどんだけ良くても、この人間臭いグイグイ来る性格は私にゃ無理無理。

タイプなんかじゃないったら。

コホン…


何言おうとしてたんだっけ。

ああそうだ。ここがどこかって話か。


ここは…私の精神世界。ちゃんと言うなら、オルの権能によって作り出された私とオルだけに共有される世界だ。

さっきの戦闘も…なんかこう…なろう系によくいる別世界の神様みたいなやつが、あるあるなマジヤバな能力でうまいこと世界をイジり倒した結果ってことですね。


うーん!生きる理不尽!


『まぁ…さっきの一撃かなり良かったけどね。死なないでそのエネルギー出せるようにきたえよ〜!』

「いや…あれ死なないように出せって無茶苦茶な…」

『しゃーなし。前の電車でゴーゴーマグロ漁船事件で色々怖いなって思ったし。』

「…オルが怖いってなかなかやね(震え声)…」

『いやまぁ…この世界的にかなりやヴァいと思っただけだけど。私に取っちゃ砂漠の砂塵よ。』

「ふーん。」


それなら、ぜひ出向いてほしいですね。

活躍して有名になりたいけど、面倒事は避けたいんですがそれは。

こいつは頼んでもやるようなタイプじゃないからあれか。無理か。


それは置いといて。確かにオルの言うとおりだ。


確かに…あの電車の意味わかんない動き方。それこそ異世界の能力等々がないとできないような運動法則。

しかもこれこういうのがあからさまに起きたことって無いやん?多分。俺の記憶ではない。

キナ臭ぇ…やなよかんしかしない。


『有名人になりたいって…あんたもうかなり有名人になってるじゃない。多分そっち側にも気づかれてるから。がいるかによるけど。』

「多分そうだろうね。」

『暫くは様子見ってところになりそうだね。』

「ウンウン。その間に力蓄えておかんと。カッコいいとこみせるぞう!」

『その間に、必殺技なり何なりを用意しておかないとね!なんかこうおんなじ対処の仕方してもつまんないじゃんかさ。』

「…案外ノリノリですな…。」

『そりゃそうじゃん!私のカッコいい弟子が…君の姿で日本中…どころか世界中までカワイイでロリファッション事件解決&パンツを世界中に公開して激震走らせたんだから張り切るに決まってんじゃんwww』

「WTF!!!!!」


そう…そうなのだ。この世界でオルに鍛えてもらってるのは単純に自分自身の強化だけじゃない。そう…魔法少女…的な義賊としての振る舞い…ようはアイドルをしろ…ということでこんな鬼畜じみた拷問をスタートする羽目になってしまったのだ。


もう一回いっていいか?

WTF!!!!!!!!!!


『姿勢の正し方、話し方、可愛らしい戦い方、化粧の仕方、媚の売り方…フフフ…久しぶりに腕がなるじゃない!!』

「なんでそんなトコでやる気出しだしとんじゃい。」


とまぁこんな感じで。さっきの戦いとは別にビシバシされてたんですわ。

貴族っぽい部屋で、何故か髪の毛をお貴族ロールに変えられたり、自分の服変えて、伊達メガネつけてご立派なドレスつけて…まるでストーリー序盤で主人公の無限の成長の可能性を感じて主人公のためにめちゃくちゃ献身的になる魔法のカテキョみたいな。

いや全然良きなんだけど…その顔でやられるとご褒美です有難うございます。

それにしても知識偏りすぎじゃね?なんかもうちょっとこうさ。いや別になのか…?


って、話それた。

私が魔法少女モドキになるって話ね。どうやらすぐテレポートはしたんだけど、その前の電車を止める道中でみんな撮影してたみたいで…何なら、駅に着いた後も野次馬が私が思ってたより多くいてパシャパシャ撮られたみたいで…


その、さ…下着が、ね。拡散…。

一応…私…男…ヘテロセクシャルで…

いや今は女の子の姿だし、ロリ寄りだし、ツインテ可愛いし、何なら魔法で魅了もできるし…

自分も…まぁ気に入ってる…というか、昔好きだったアニメキャラに寄せた部分あるから大好きなんだけど…


いやいやいやいやいやいやいやいやいあyいあやいやいやいあyいy…


「バレてはならん…がバレたらメンタルが死ぬ…世界救えても自分の精神が救われない…だぁ…?誰だよこんな名前つけた戦犯…私は執事服っぽいスーツ着てシルクハット被って片眼鏡つけて…紳士ムーブでプライベート全くさらさない超カッケェ義賊になりたかったのにぃぃぃぃぃ…」

『あ〜おもろwあの一瞬で焦ってたのかハイになってたのか…他にいいがあったのにあえてそれ選んでさwwナッハハハww!あんたがありえないくらい戸惑ってるの見ると、美容と健康と肌にいいわぁwwww』

「そういう年じゃねぇだろあんたは色々と。」

『は〜い。5分後全人類があんたに敵対しまーす。そこに私乗り込みまーす。』

「…っざっけんなぁ〜〜〜〜〜!!!!!」

『口調は優しくッ!』

「るっさいわねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

『及第点!』


この後、暫く自滅し続けました。

この存在するだけでバグみてぇなやつにフルボッコにされました。


『なんか言ったかぃ…?』

「ヴェッ!マリモ!」

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