これも『生きる』と思えた。

 フランケンシュタインの怪物を題材にされた世界観で、大雑把に言うと蘇った死者の人形と人間が暮らすお話です。
 シオという女の子の主観で進み、色々な人に接したり、犯罪に巻き込まれたりして内面的に成長していく所が面白く、また、ちょっと変わった彼女だからこそ、人一倍、存在意義に葛藤する場面があり、応援したくなりました。

 読んでいて凄惨なシーンがいくつかあるので、心臓の弱い方や、そういうのが初心者の方は注意が必要だと思います。例えるなら、辛いラーメンがいけるから、台湾ラーメンもいける! と思ったことがある方なら、似たような失敗をすることになるかもしれません。

 達筆と言える表現力と語彙の豊富さ、心情においては繊細な表現で、美しいと感じました。
 ダークファンタジーやシリアスなSFが好みの方はハマるんじゃないかと思います。

 最後に、現状の最新話まで読んだ身として、これから読み始める方に一言伝えるのなら、彼女の在り方に感じる感情さえも、伝えたいメッセージだ。と言いたいです。
 まあ、個人の感想なんですが。

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