第1ー2話  できぬ贖罪

(第1話のヒロインの親友が私,主人公です.)


 うぅぅぅぅぅ

(ごめん・・・・・・・

こんなことになるなら最初から...

私はどうして,こんな時に思い出がよみがえるのだろう.

何が思い出させるのだろう..........


いや思い出ではなく贖罪のつもりであろうか.










 私は,中学生になった!

 友達もできた.いつも私は4人組で学校生活を過ごしている.その4人というのが,男子が2人と,女子が私のほかにもう1人いるの.でも,最近私は好きな人ができたの.やっぱり,彼と一緒に生活してくのが,とっても楽しかった.


 きっと,みんなにはセミの鳴き声が耳に入るのだろう.やっぱり私はそうゆー,昔の風情?見たいのが嫌いだな.なぜかって?それは,あれって短歌とか俳句とかを歌ってた頃の,おじさんたちが勝手に決めたものでしょ?なんでそれが良いかなどちっともわからない!


(じゅぎょーめんどくさいなー)

 最近こうして,彼を授業中見ることがひそかな楽しみだ.理由など言わずともわかるだろう.こうしているだけど,幸せになれる.

「一生こうするだけ,ドーパミン出してたい.」私はつい,声に出ていた.

そこに現れていたのは,きっと,私の声ではなく”恋”であっただろう.

彼はそれを聞く.たったそれだけのことで,私以上にドキドキしていた.誰にでもわかるように.その時の彼の頬が,生まれたばかりの赤ん坊のようなきれいで,少し赤くなった,非常にかわいい彼の顔.私はきっと,いや一生忘れない.


 そんなことがあった.私は,一人ですごくドキドキしていた.一生分の鼓動を今日使ってしまうのではないか,と変な心配もしていた.この時には,こんなしょうもないことを考えられるくらいにまでは落ち着いていた.

 私は,今日のことを考えつつ,トレーにお金を優しく置いた,私の心も,こうやって扱ってほしかったなぁ.そうして,私はコンビニを出ようとした.しかし,お釣りを忘れて取りに帰った.


      そこにいたのが彼だった.


 なぜこのタイミングなのか.でもやっぱりこれは運命だと感じていた.そして

「よかったら,わたしと夏休みどこか行きませんか?」

「いいよ.ドーパミン出すため?(笑)」そんな冗談今の私では,一生冗談になんかできなかった.学校での彼の顔,そしてこの会話,私はこれ以上の恋はないだろうと思っていた.

「待って!!!!!!」

「おっきい声出すな(笑)いったん歩こ.」すべてを察したようにそう優しく声をかけてくれたのは,私にとってこれ以上ない最善の選択であっただろう.私はこの間に何度か深呼吸した.

 何分もして何の会話もなかった.しかし,ここで私は決断した.

「好きです.この4文字を言えばよい.そんなことをいってもきっとどうにもならないのは,わかってるの.でも.でもやっぱり我慢したくない.」

「ずいぶんと,饒舌なこと(笑)つきあお」

「・・・」

「えっ?」

「ごめん.すごくうれしくて・・・・・・・・」




 ある,天気が荒れ,午後には,大雨警報が出ている日の6時間目の休み時間.私は衝撃,いや,悲劇の始まりだった.こんなだますつもりなどなかった.もし昔に戻れるのならこの時以上に願った時があっただろうか,いやない.そして,もしもこれからがあるのなら,遭遇なんかしたくない.

「私,彼のこと好きなんだよね.」彼女は4人組の女子だ.私も親友だと思っている.こんなこと,どうすれば予測できたのか?きっとできないだろう.このこは,うすうすかんずいていた.彼女の授業中の視線は私と同じようであったのだから.

「え?えあ?へ,へー.え.あ.そ,そーなんだ.それはいいよ.」

「動揺しすぎじゃない?てか何よいいよって(笑)」

私はここで止めるべきだったのだろう.


 窓にカブトムシがいた.その日のお昼,彼女は私たちにある提案をしてきた.

「海に行こう」そんな提案だった.私は彼を見て,少し考えた後に顔を赤らめていた.

「何変なこと考えてんだよ.変態(笑)」彼からそんなことを言われ,少しショックであり,意識してもらえているといううれしさもあった.


その日の帰り道に私は彼に伝えた.

「彼女があなたのこと好きなんだって.」

「へーー,俺はお前が好きだけどね.」

少し,照れているのか目を合わせてくれなかった.

「もしかしたら,海で告白されるかもしれないよ?そしたらどうするの?」

「振る」

その2文字に込められていた,言葉以上の意味を私は理解できなかった.

「さいてー」私は,こんなに軽い言葉で返事をしたこと,それだけでなく,大切な親友を裏切ったとこのほうが最低だ.

「んーそうだな.」

私には,彼が最低だと言っているのではなく,こんな会話を始めたお前だろという,自明なことは投げかけたのではないかと,心に浮かんだが確認なんてしたくなかった.今になっては,確認しておけばよかったと思っているが,そんなこと誰も,そう私もふくめ,金輪際できなくなってしまったのだ.



 そうして私はこの時を楽しみしていた.彼の水着,ではなくホテルだった.彼の家がすごく太く,かれが経営しているホテルに泊まることは知っていた.そして,なによりも家族風呂があることも.そんなことを考えて,彼女から大浴場へ誘われた.


 大浴場まで楽しみにしている彼女を見ると,さらに心を締め付けられるようになった.苦しくなって,だんだん彼女への反応が薄く簡単になっていることなど自分が一番わかっていた.そんな時に,私はメールを受け取った.

{彼:これから家族風呂の予約あるよ?}

{私:行きたい!待ってて.}


{私:やってもよい?}

{彼:やってもよい?}

この2通が同時であったことが,うれしくもあり,恥ずかしかった.それ以上に彼女を置いてまでやってしまうという後悔が大きく残ってしまった.

 私は彼との初体験を想像した.急いで帰った.それこそ,心臓の音が鼓膜を振動させているのではないかと感じるほどに.そうぞと一緒に膨らむ罪悪感が,彼のいる部屋のドアノブをひねることをためらわせた.しかし,欲望にかてなかった.


 1振りされるたびに私は,彼女への罪悪感が広がった.きっと彼にはそんな気持ちなど察してくれてないだろう.出されたと同時であっただろうか.

「ねぇ?罪悪感感じてるの?」

(は?なんで今更なの?もっとタイミング考えてよ)

「う,うん.」

「そっか.そんなん忘れちまえよ!もっとやろ!」

 きっと私は,”悪い男”に騙されていたのだろう.いや”私”だけではないはずだった.私と彼女の違いは,そこに気が付いた後に離れたかどうかだっただろう.


 そして気が付くと,夜私は電気が消え1時間がたっただろうか.彼の布団にもぐった.彼女は寝ていた.そこで私たちはまた交わってしまった.


 何度絶頂したのだろうか.私はそんなこと忘れてしまった.きっと彼も同じだろう.なん十分もすぎ,天気が悪くなってきた.そんな時にある一筋の光が見えた.私が,天気なんかに目を向けたのは,きっとあれが最初で最後だっただろう.

 雷が鳴ると同時に,彼女がそこに立っていた.私はこんなことの後に脳みそなんか働くわけがなかった.こんなことの後に,どうして幸せじゃない状態になんかなれるだろうか.きっと,みんなそうだと思いたい.


 そうこうしていると,何もかぶっていない,何も着ていない私と彼の上には何かがかかっていた.少し暖かく,彼の精子だと感じた.いやそれは”生死”だったのかもしれないと私は気が付きたかった.

 


「ううぅ」

「ああぁあ」

私たちはもう,うめき声を出すしかなかった.

誤りたかった.


 なんでこんな方法をとったのだろうか.いやいやそんなことよりも,これが何なのかのほうがもっと大切だろう.そうしないとと私は今考えている.人間は落下で死ぬような大量出血する際,故意に血圧を降下させる.その際,思い出が漏れ出して,いわゆる走馬灯を見るらしい.

 しかし,私から出てくるものは何だろうかそれは,物質で言えば彼の精子だけだろう.それに伴い浮かぶのは彼女への罪悪感.そしてこんなことを思い出してしまっていたのだろうか.どちらにせよ,私は思ひ出せてよかったな,


 こんなことで贖罪なんてできるはずない.しかし,私はここで死んだとしても,あなたのことは忘れないし,幸せを願うよ.

 これが声に出せていたのなら,成仏できるのかな.....


 そう考え意識と逆行して,目の前から光が消え,力が抜けていた.そんな状況でも,罪悪感を忘れることなどなかった.


 そして,意識さえもうろうとしていたが,贖罪の気持ちは衰弱しなかった.最後の力を振り絞った.

「ごめn......」

言い切ることなどなかった...

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満月の下で mai @mai3259

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