第629話 えびえびしすたーず「のんびり重力加速度」

「先輩。あの水素自動車の調子はどうですか?」

「『内燃機関は不滅だ』と言って大学の設備と予算と人員を総動員と言うか自主的に集まって作った世界に一台だけの大学オリジナルの水素自動車?」

「そうです先輩。今では先輩の愛車になっているあの水素自動車です!」

「後輩。ヨーロッパのお友達と協力して維持管理しているわよ」

「先輩。外交官ナンバーつけて走っていますものね」

「こういう時、頼りになる友達が居ると助かるわ」

「それで先輩。あのヨーロッパのお友達から何か見返りを求められなかったのですか!?」

「一応、整備時に車のデーターを回収していくとかくらいかな?」

「先輩。それだけですか?」

「私、出来るだけ癖が無い模範的な運転を意識しているけど、どうしても癖が出るから走行データに価値あるかわからないのよね」

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