クリスマス

 そして強制クリスマス会が開催された。

 

 ま、暇だし別にいいけどさ…。

 

「では、メリークリスマ〜ス。かんぱ〜い」

 と優依の掛け声でジュースを乾杯すること

 となった。

 

「「「「かんぱーい」」」」

 

 優依の部屋は、相変わらずかわいいものが

 たくさん溢れている。

 

 幼い頃は、よく優依の部屋に来ていたけど

 今はどっちかというとオレの部屋で遊ぶこ

 とが増えた。

 

 久々だからか、なんか落ち着かない…。

 

「ねー、ゲームしよう!」

 とたくさんのゲームを出してきた優依。

 

 そしてみんなで仲良くゲームをした。

 

 それからプレゼント交換が開催されたのだ

 けれど、オレはつい優依の好みのものを選

 んでしまっていた。

 

 優依にあたるといいな…。

 

 と思いながらプレゼント交換。

 

「じゃあ、曲が止まったらそのプレゼントゲ

 ットって事でいいよね?じゃあ、曲が流れ

 出したらお隣さんにプレゼントまわしてく

 ださいねー。じゃ、曲をかけまーす」

 と優依が曲を流した。

 

 いけいけ‼︎

 オレのプレゼント…優依のもとに行くんだ

 ‼︎

 

 

 ちゃんちゃらちゃ〜ん

 

 

 

 …あ、オレのプレゼント…、、、

 優依の元に行かなかったよ。

 

「んじゃ、開けてみよっかなぁ」

 優依が緑の包み紙を丁寧にあけた。

 

「あー、かわいいうさぎのキーホルダーとミ

 ニタオルだ」

「あ、それオレの」

 と陵。

「へー、かわいい。ありがと」

「うん。」

 

「あ、わたしのマグカップとハンカチだ。こ

 のキャラクターおもしろ可愛くて好きー」

 と奈美さんがオレのプレゼントをあけて言

 った。

「あ、わたしもそのキャラクター好きー」

 と優依がにっこりした。

 

 …

 

 オレのは、シャーペンと消しゴム。

 

「あ、それあたしの」

 と奈美さんが言った。

 

 じゃあ、優依のが陵の元に行ったのか…

 

 優依のは、手袋だった。

 

 

 なんでぇー⁉︎

 

 あ、でも優依にしてみたらそれはそれはハ

 ッピーなのか。

 

 だって好きな人とプレゼント交換できたわ

 けだし。

 

 陵は、こんなにかわいい優依があなたを好

 きなわけなんだけど、なぜ気づかないのだ

 ろう。

 

 ⁉︎

 奈美さんに夢中で気づかないのかな…⁈

 おーい‼︎

 おーい‼︎

 おーーーーーい‼︎

 優依が陵のこと好きなんだよーー‼︎

 と言ってやりたい。

 

 そしたら優依の魅力に気づいて陵だって…

 

 でも、優依が告白もしていないのだからオ

 レが勝手にお知らせする訳にはいかない。

 

 

 はーぁあ。

 複雑ーー‼︎

 

 こんな複雑な感じで冬を過ごした。

 

 休みが明けると優依のカバンには、陵と交

 換したキーホルダーがぶら下げられていた。

 

 そして陵も優依からの手袋をしているじゃ

 ないか。

 

 ⁉︎

 

 これはもう仲良しカップルみたい…。

 

 優依のことを考えれば、優依‼︎よかったじ

 ゃん‼︎

 なんだけど…

 でも、心がえぐられそうだった。

 

 

 …

 

 続く。

 

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