第56話うそっぱちに支配される世界

人類は、その後も多くの体系を創り出し、信じて来た。

ほとんどの体系はうそっぱちをひそかな基礎とし、それがうそっぱちと思えなくするために、その基礎の上に構築される体系は出来るかぎり精密であることを必要とし、そのことに人智の限りが尽くされた。


              司馬遼太郎「項羽と劉邦」より



なかなか、含蓄の深い言葉である。

人智の限り、巧緻の限りを尽くして、支配体制は築かれて来た。

政治体制、宗教組織など、すぐにわかることである。


しかし、無常の世界であり、栄華盛衰は、止められない。

うそっぱちの基礎であるから、なのかもしれない。

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