暗い小説が読みたくなるときがある。
主人公がツラい目に遭ったり、事件に巻き込まれたり、ほっこりとは程遠いところにある物語。
私は時々、そうした暗い物語を無性に読みたくなります。絶望の淵に立たされた人間が、何を思い、どう行動するのか。しんどいからこそ惹きつけられるものがあり、心を動かされるのだと思います。
今作の主人公・射水幸樹は、“KO-H-KI”という芸名で音楽家として活動しており、その素晴らしい楽曲に加え、オネエキャラとしても注目を集めている。彼の父・隆二もまた、偉大な音楽家であった。
しかし、幼い頃から父の暴力を受けていた幸樹は、父が亡きあともトラウマに苦しめられる日々を送っていた。そして幸樹が隠していた秘密がやがて世間に知れ渡ってしまい――
苦しい。とにかく読んでいてしんどい。過去にとらわれ続ける幸樹の姿に胸が張り裂ける。それなのに、早く早くと、続きを読みたくなる。
地獄の底でひとりぼっちにもがき苦しむ彼の秘密が暴かれたとき、幸樹はそれをどう乗り越えていくのか。もしかしたら乗り越えられないのかもしれない。ぜひあなたの目でその結末を見届けてください。
苦しみの先にある、一筋の光を求めて、私は時々こうした暗い小説を読みたくなるのかもしれない。
私はこの物語が大好きです。
【レビューコンテスト応募】
若き音楽家、幸樹くんは『KO-H-KI』という芸名で順調に活動しています。
亡くなった父親も、やはり音楽界の大御所でした。
ようするに、音楽界のサラブレッドが、『KO-H-KI』なのです。
けれども幸樹くんには、隠しておきたいつらい過去がありました。
自分でもその過去に苦しんでいて、彼は芸能界ではオネェ言葉をつかい、表面上は仮面をかぶっているような状態だったのです。
そして彼の過去が暴かれたとき、彼自身はもちろん、大きな波紋がまわりに広がっていきます。
幸樹くん、どうなってしまうのでしょうか。
子供の虐待はをテーマにしたこの作品。
勇気をもって、ぜひ読んでみてください。