【おまけ⑥】辺境の地にて~Sideエミール~

 エストレ子爵家を勘当されたエミールは、社交界を追放されて翌日には辺境の地へと送られることになった。

 国境を守る危険でかつ大切な場所である辺境の地で、農業に従事するようにと命が下った。


「エミール、早くしろっ! いつまでちんたらしてんだ!!」

「すみませんっ! 今いきます」


 元貴族ではあるが、もう一農民としての生活をすることになったエミール。

 仕事に厳しくて有名な村の長に対して泣き言は通用しない。


 休憩時間にエミールは長の奥さんが作ったサンドイッチをわけてもらい食べる。


「美味しいです」

「うちのカミさんの弁当は絶品だから当たり前だろ!」


 がははと笑いながら村長は大きな口をあけてサンドイッチをほおばる。

 正直なところ、エミールはこの暮らしに不自由していないと言ったらうそになる。

 そりゃそうだ、彼は子爵令息で自分で自分の世話もできない人間かつ、思い込みが激しく傲慢な部分もある。

 そんな彼がここまで生きて居られているのも、行き倒れていた彼を拾った村長のおかげだった。


 彼がソフィを傷つけてバカなことをしたのは変わらない。

 そしてこれからも彼は苦労する生活を強いられるのだろう。


 そんな彼の生活をソフィたちは知らない──

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