この度は自主企画に参加してか頂いてありがとうございます。早速こちらに感想を書かせて頂きますね。

　一人称で進む物語らしく主人公に感情移入がしやすい。そのため、スッとこの世界に浸ることが出来ました。

　銀髪女神様とのやり取りは軽快で心地よいリズムで進みます。当たりはきついながらも性根にある“優しさ”が垣間見え、とても好感を持てます。時折挟まれる最初に出会った主神（？）様の伝言がさらにやり取りにコミカルさを生んでいて、物語全体の読みやすさに繋がっている印象でした。

　主人公が異世界に行ってからは魔法の描写が特に良かったです。風の魔法ということもあって、魔染体との戦闘には勢いがありました。
　主人公の諦めない姿勢、手にした魔法であれこれと試行錯誤する姿はどこか人間味を残しながら格好良さを演出していて、思わず応援したくなります。
　最後の話で別視点が描かれるのも、物語を多視点で見ることができるようになって、一味違った面白みを感じられました。なんやかんやいいヤツ…良いですよね。このシーンで見られる銀髪女神様の性根の良さにもキュンとなる。このお話のおかげでさらに、彼ら彼女らがこれから辿る冒険への興味が加速しました。

　総じて題名通り、異世界での冒険の始まりをテンプレート…正しく“王道”に描いた作品という印象でした。転生、努力（試行錯誤）、魔法、女神、そこに魔染体などの個性もきちんとあって、新鮮さも感じられます。彼らの行く末はどうなるのでしょうか…？

　“これから”を想像し、期待させてくれる素敵な作品をありがとうございました！　これからも彼らの冒険、また、うららぎ様の執筆を陰なら応援させて頂きます。