第25話 グランディア(RPG)
遥か昔、冒険者たちが
精霊石は悪しき者が持つと石の力にとりつかれ、世界を滅ぼしかねない力がある噂があり、力や権力、財力を求めていた冒険者にとっては、究極のアイテムでもあった。
その貴重な精霊石を手にした数少ない者が、物語の主人公であるジャスティンの父でもあった。
やがて大航海時代も
直訳しても、あのヌリカベではない。
その先には、光の翼を宿した神々が構築した、謎の大陸があるという言い伝えを小耳に挟むが……ちなみに紙で作った翼でもない。
まだ十四歳という、わんぱくな子供の延長線だったジャスティンは空高く舞う紙飛行機に憧れるように、好奇心旺盛に、その真実を知りたがった。
嘘か誠か、ヌリカベではないその壁を、実際に見てみたいと……。
そんな理由からか、幼い頃から冒険者になりたかったジャスティンは幼馴染みのスーと一緒に、まずはガーライル軍が調査中である近場にあった遺跡への冒険を試みるが、そこではとんでもない真実が隠されていた……。
そして、その遺跡の地下からの女性による『真実を知りたいのなら、私たちの天使が暮らす大陸に来てください』という発言により、妄想の遊び人から、正式に冒険者を始めるジャスティン。
海を越えた新境地にて、新たに辿り着いた街では、フィーナという年上の少女が、ジャスティンの話に興味を持ち、パーティーに加わることになった。
これは忘れられない冒険になる──。
──これまでサターンには、面白いゲームがたくさんあったが、ACTやSTGなどがメインであり、プレステのような腰を落ち着けて遊べる良質なロールプレイングゲーム(以下略RPG)は、ルナシリーズくらいと、ほとんどRPGは販売されなかった。
プレステにドラクエとFFの続編さえも奪われ、サターンの危機を感じ取ったセガは、ルナシリーズで独特の世界観を表現していたゲームアーツという会社と協力し、ドラクエやFFと肩を並べる、大ヒットRPGを製作しようと
二社は変に欲張りはせず、正々堂々とFF7と向き合い、FF7の宣伝みたく、雑誌などのメディアに色々と情報を公開し、発売前には、このゲームの体験版の導入と、グランディアというRPGを、サターンの看板、熱々鉄板メニューにしようと、やたらと意欲的だった。
それが効を奏したのか、発売前から異例な評判となり、色々な事情によって、発売が延期になっても、心待ちにするユーザーが増えていった。
──ゲームはポリゴンの背景に、二次元のキャラを重ねた3Dが主流だった、当時のRPGの常識を覆し、古くから親しまれた、アニメのような作品となっている。
これはサターンで販売された、ルナシリーズの影響でもある。
また、物語の随所にもアニメのムービーが流れ、ストーリーもファンタジーで丁寧な作りとなっており、BGMも秀作。
このグランディアはサターンのソフトで40万本と、もっとも最高の売り上げになり、サターンで唯一の優秀賞も獲得した。
しかしサターン本体の赤字回避は防げず、新たに開発したドリームキャストという次世代機に、セガは希望を託した。
こうしてドリームキャストにて、続編の2を発売し、プレステ2ではフルポリゴンの3も発売。
グランディアシリーズは瞬く間に、名作のゲームとなっていった。
──戦闘システムもドラクエともFF寄りでもなく、独特な作りである。
2Dのアニメキャラクターがマップに表示され、基本、プレイヤーと敵の行動が入り交じった、ターン制のシステムだが、『待機中、コマンド入力、行動準備中、行動、待機中』などという、一通りを繰り返すゲージの流れを主流としており、攻撃や防御などの基本動作では、待機中のゲージがほとんどなく、技や魔法を使用すると、行動までの準備時間が長めというシステムだった。
この準備中に技や魔法などでカウンター攻撃をすると、その動作がキャンセルされ、相手のゲージを大幅に後退させ、行動までの時間を伸ばせることもできた。
その流れで、ボスからの強力な技や魔法をキャンセルし、こちらの有利な方に戦況を進めていくパターンも生み出せた。
行動準備中に入ると、普通はキャンセルはできないが、このキャンセル技などの戦略により、ノーダメージで戦闘に勝利できたりと、比較的、誰でも楽にボスなどに挑めるようになっている。
……と、言いたい所だが、サターンの機能を最大限に活かし、ゲームに容量が足りなかったのか、それとも単なるイベント消化だったのか、初期魔法しか使ってこない真のラスボスが、異様に弱いのには残念だった……。
──魔法はマナエッグというものを手に入れて装備し、経験値を上げて、魔法を習得し、さらに覚えた魔法を極め、魔法のレベルを上げると、更なる上位魔法を覚えることもできた。
必殺技も、この魔法と同等でレベルがあり、魔法や必殺技はレベルが上がると、発動までの待機時間が短くなっていく。
ただし、マナエッグによる魔法は誰でも覚えられるものではなく、中には必殺技を専門としたメンバーもいた。
──物語の出だしでは主人公のジャスティンより、フィーナの方が力が強く、頼れるお姉さん的な存在となるが、後にジャスティンが力を上回り、フィーナは魔法の使い手の存在と変化していく。
やがてジャスティンとフィーナは恋に落ち、親密な冒険者として旅を続けていくのだ。
こういったキャラの成長という設定も細かにあり、単なる冒険活劇ではない雰囲気を、存分に味合わせてくれる。
これこそグランディアの醍醐味でもある。
──マップの世界観も広く、ディスクも二枚組だが、初期の作品にも関わらず、シリーズ中、クリアまでの道のりも一番長い。
大長編の映画を彷彿させるような展開で、総プレイ時間は普通に遊んでも、40時間は楽に超える内容となっている。
──そんなボリュームある大作にも関わらず、惜しくも、このゲームの発売後にFF7がプレステで人気を博し、売り上げが低迷したが、このゲームのデータを引き継げるファンディスクを別に販売することにより、再び、人気が天に届くように浮上する。
その後、グランディアは世界中でヒットを飛ばし、サターンで遊べる最高のRPGと認知され、前途に説明した通り、プレステなどにも移植された。
──このソフトはセガがハード市場を撤退した現時点でも、中古でも安価で入手でき、誰でも遊べる良作でもあり、特に、この初作はゲーム好きなら、プレイしても損はしない名作でもある。
そう、歴史に残る映画があるように、心に残る感動のゲームが、ここにあるのだ……。
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