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太陽に最も近い場所

太陽に最も近い場所

硯哀爾

おすすめレビュー

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★★★
★10
4人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 幻中紫都
    89件の
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    ★★★ Excellent!!!

    旅人が辿り着くのは太陽か、それとも鮮やかな空か───

    険しい山の中。ひっそりと暮らす少女の元に、一人の青年が訪れる。
    『彼』は少女に「太陽に最も近い場所を目指している」と呟いた。それは自身の罪を灼くため───そして、最愛の弟に逢いに行くためだと感じる。

    旅人の瞳。太陽の赤と青空の瞳。
    『彼』は山を登り太陽に近づく。そして、空にも近づいていく。
    死者は空の向こうに行くと言うが、『彼』の弟は今、何処の空を揺蕩っているのだろうか。そして近くまで逢いに来た兄になんと囁くのだろうか。

    旅人は山の上に立ち、自分の不甲斐なさに涙するだろうか。
    それとも弟に微笑みかけ、優しく涙を溢すだろうか。

    旅人の紅い髪が、空と混ざり合う瞬間。その日を待ち望んでいる。

    • 2023年3月5日 01:56