セリフの頭に登場人物名がある、戯曲のような表現方法が斬新でした。もしかしたらこの方法が主流になる未来もあるのかなと思わされました。
タイトルにもある通り、本作の登場人物はニッチな才能を持った天才が登場しますが、なかでも、木工室という日常的な空間で実演されることで、リアルと特異性の交差点が生まれており、価値ある異物として認識される瞬間が描かれます。ここには爽やかさとほのかな孤独が同居しており、非常に印象深かったです。
また恋愛感情、成長期の自我の芽生えや他者へのまなざしといった10代特有のテーマが何気なく差し込まれていて、現実的な日常と内面の成長が絶妙にリンクしていて好印象でした。