第42話

翌日ーーー



「 レモン おはよー 」


いつもよりテンション高めのリュック引きからのハグ!


「 う、うわぁ!」


「 檸檬ごめん!… 」


勢い余って手提げを落としてしまった。

 

「 うッ! 」


「 どうしたの? 」


「 あ、なんでもないよ 」


「 ねぇねー!今日からまた、ぶ・か・つ!

できるんだよね! 」


「 …それが… 」


カクカクシカジカ…って感じで…


「 え〜ッ!また〜ッ!…シュ〜ン… 」


「 みう…ごめん〜…… 」


美羽とハグをしていると、突然後ろから頭をポンポンされた。


「 みうちゃん!ゆずきちゃん!おはよー!」


『 大野くん! 』

『 おおの!… 』


「 おはよー!感激!大野くんから挨拶されるなんて…あぁこれは夢!?あたし…もうだめ… 」


美羽は立っていられなくなりフニャフニャ状態


「 ちょっと美羽? 大丈夫? 」


美羽の腕を支えながら大野の顔を見上げる。


大野…おはよ…


ゆずきちゃん…おはよ…


大野の顔は眼帯と絆創膏で痛々しく覆われていた。


大丈夫? 


こんなのかすり傷だから…


私達は目と目を合わせお互いに小さくうなずきあった。


「 あれ?…大野くん!どうしたの!その顔!… 」


ザワザワ ザワザワ…


なに? 大野くん?


『『 大野くん!!?? 』』


『『 キャーッ!ヤダ〜!顔傷だらけだよ、大丈夫!?何があったの!?ケンカ!?テロ!?凶悪暴行事件に巻き込まれたとか!?…しんぱい〜!涼太くん可愛そう〜!大丈夫!大野くん!! 』』


美羽の大声を聞いて、登校中の女子達が一斉に集まって来てしまった。


いつもの様に一瞬にして私達は女子の輪に囲まれてしまい…


うわッ…そうだよ…


昨日のこと知られたらどうしよう。


「 みんな…静かにして、心配しなくても大丈夫、じつは……猫と乱闘しちゃってさ!…ははは… カッコわりー… 」


『『 な〜んだネコちゃん?…負けてあげたのね〜やっぱり涼太くんて優しいね〜! 』』


「 かわいい子には弱いんだ 」


『『キャーッ!! 』』


は、ははは、ネコちゃん?…心配して損した。


さすが、嘘の達人

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