選択の女神

海胆の人

第1話 

 私は女神。悠久の時を生きるのでだいたい暇です。

 あまりに暇なのでたまに迷える子羊を救うのもいいかなと。気まぐれですけどね。


 おっと早速獲物……もとい子羊がやってきましたね。


「女神様!俺は二人同時に好きになっちまいました。どっちに告白すれば良いでしょうか」


「選びなさい。正しき選択をした者は救われます」


「きのことたけのこ?こんなもので何がわかるのですか?」


「正しい選択をすれば自ずと正しき道に進むのです」


 私の言葉に疑念を抱いたようですが真剣に悩んでいますね。


「くっ……俺には選べない」


「それがあなたの選択です。折角ですのでどちらも持って行きなさい」


「あ、ありがとうございます。選ばないという選択もあったのですね!お見逸れしました!」


 そう言って男は帰っていきました。その後ですか?好いた二人がどっちが良いか争いになって男はその二人に愛想を尽かし、男は別の女性と円満な家庭を築いたようですよ?

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