第19話 「パロ王の褒美」
「夢見の一族セツラよ!
見事な夢の解き明かしである!!お前のように神の霊が宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。
起源の主なる神が、これからデルタ王国に起こる全ての未来をあなたに知らせたのであれば、あなたのように、聡くて知恵のある者は他にはいない!あなたは選ばれた器であるのだ!
夢見の一族セツラよ!私の家を治めてくれ!デルタ王国の民は、あなたの命令に従おう!パロである私があなたにまさっているのは王位だけだ!
さぁ!私はあなたにデルタ全土を支配させよう!!そして王国第2の権力を与えるよう!
◆
「パロ王様!お聞きください!
私はそのような恩恵を受けるに値しない者でございます。私はアブラハ族から奴隷として売られてきた身分であり、ポティファル様の家に仕え、性別を偽り、生きのびてきました。私は女なのでございます!しかも齢15歳で力なき少女にすぎず・・・パロ王の夢を解き明かせたのは、決して特別秀でた力がある訳ではございません!どうかご命令をお取り下げください!」
「夢の一族セツラよ!年齢や性別など何が問題あろうか?私はあなたを認めている!あなたの澄んだ目に澱みがなく、未来を見通す示唆力に満ちているではないか!それに我がパロ王家と夢見の一族は、深く関係があるのだ!
アブラハ族の祖父であるアブラハは、優れた預言者であり、300年前デルタ王国建国にあたり、少数民族に過ぎなかった我が一族を、この地に導き、近隣の民族との紛争において、優れた示唆を行い、幾重も難局を乗り越え、勝利へと導いてくれたのだ!しかしデルタ王国が建国後すぐに、彼はある預言を残し・・姿を消した・・。
それは『王国が危機が直面した際、夢見の一族より未来を預言する救世主が現われ、命が繋がれるであろう!」と。
まさに今回、デルタ王国最大の災難が起こる前に、セツラよ!お前が選ばれ遣わされたのだ!この奇跡を国家を挙げて喜ばずにおれようか!!セツラよ!受け取りなさい!
パロ王は、自分の指輪を手から外して、それをセツラの手にはめ、亜麻衣の衣服を着せ、その首に金の首飾りを掛けた。そして自分の第2の車にセツラを乗せた。
「ひざまずけ!」宦官長ラルクは叫んだ!
すると100万人を超える全国民と1万の兵士達、王都議会の右大臣ペルトリカ、左大臣ルキオス、宦官長ラルクは、呪法師の長サイカと500人を超える呪法師達が両の手を頭に添えてひざまずくのであった。
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