第27話 パスワード
テレビ画面に映し出された『
「リン、これって、26個の数字を入力するってことだよな?」
「うん……。でも、そんなヒントなんてゲームの中のどこにもなかったよ?」
「これはもう一度ゲームをしなおして、ヒントを探すしかないんじゃない?」
クリアするのが
それにしても、なんか頭の中で引っかかる。
パスワード、数字ばっかりで26文字、だよな。ん? なんかそんなもの、やっぱりどこかで見た気がするのはどこでだ?! 数字ばっかりがずらっと
「あああっ! 思い出したっ! リーくん! 数字ばっかりずらっと並んでるって、ほら、あれじゃない?!」
僕は昨日の夜
「バカなの?! 何でそんな大事なことはやく言わないのよ!」
「だって、忘れてたんだって!」
「で、もちろん、メモしたんだよねお兄ちゃん?!」
「あ……」
「もう本当バカなの?! お兄ちゃん!」
「や、リンリン、大丈夫だぜ、俺っちそれ、スマホで
「「「「おおお!」」」」
リーくんがスマホで昨日の
「ガッくん
リーくんサイテー! なんで僕の変顔撮って楽しんでんだ!
僕の変顔を通り過ぎたあたりで、リーくんがスマホの動画を
「リーくん、そこスクショしてみて!」
リンに言われ、ストップした動画の画面をスクリーンショットで写真に撮って拡大してみると、それは数字だけではなくアルファベットも
【 N354041E1394253 】
「これ、何のことだろう? 15文字しかないし、それに、英語なんて入力できるボタンはテレビ画面にない……」
リンがスマホの画面を見つめて考えている。僕も何か
「こういうのって、大体アルファベットの部分で切り離して考えるんだけど。そうだとすると、N354041と、E1394253ってことになるよね?」
「「「「うん」」」」
とりあえず
リンは
「NとEが何のことなのかわかればこの
「「「「ううむ」」」」
またもや
「お兄ちゃん? 今なんて言った?」
「磁石ね、磁石、もう見たくないよ、磁石っていう漢字。画数が多すぎるんだから」
「そこじゃなくって! その前!」
「え? その前? 磁石はNとSってとこ?」
「それだぁ! それだよお兄ちゃん!」
リンがいうには、磁石のNとSは北と南を意味しているという。よくわからないという顔をしている僕たちに教えるために、リンは自分の部屋から僕の地図帳と
「だからね、地図記号でも、ほらここ、Nが上にあるでしょ? これは北を意味するのよ!」
「でも、Eなんて記号、地図帳には書いてないよ?」
「お兄ちゃん、バカなの? 北と南があるんだから、東と西もあるに決まってるじゃん! ほら、この地図帳の10ページのところに書いてるでしょ?」
「「「「本当だぁ〜」」」」
「てことは、この数字、地図帳のはじっこにのってる、この小さい数字をさしてるのかな……」
リンが地図帳をペラペラめくりながら、NとEの後に続く数字が書いてある場所がないかを調べ始める。僕たちはピザをかじりながらその様子を
「ここ、61ページと62ページの日本の
「「「「こ、国立競技場!?」」」」
「うん! もしかして、ここを指してるのかも? そうなれば、26文字の数字、私すぐにわかるかも!」
地図帳と一緒に持ってきた謎解き大辞典をペラペラめくり、「ここだ!」と声をあげたリンは、
「できた!」
「「「「おおお!」」」」
「あのね、これはポケベル暗号表って言って、昔の人はポケベルでメッセージを送るときに数字で文字を打っていたの! 」
「数字で、文字!?」
「うん! ほら、ここ見て、この暗号表でいくと、〈こ〉はカキクケコだから、〈2〉の横の段で、〈5〉の縦の列でしょ?」
「「「「おおお!」」」」
「あかさたなはまやらわって順番に横段に数字がふってあって、母音のアイウエオでまた縦に数字がふってあるの。それを組み合わせると、ほら! 見てよお兄ちゃんたち!」
リンが探偵手帳に書き込んだ数字を数えると、ぴったり26文字だった!
「「「「すげぇ!」」」」
僕たちは急いでテレビの前に座り直し、こうちゃんがパスワードの下にその数字を打ち込んだ。
【25239243228513220432048513】
「「「「「ようし! いけぇ!
みんなの
「「「「「いえーい!」」」」」
ハイタッチをして
すごいよすごいよ! 本当にパスワードは合っていた! と思ったけど、テレビ画面には、最初にお父さんのパソコン画面に映っていた文字と同じ赤い文字で、メッセージが映っていた。
〈 アスココマデコイサモナケレバデータヲハカイスルカイトウキューピー 〉
「お兄ちゃんたち、大変だよ! 明日、ここまで来い、さもなければ、データを
「「「「ガチで?!」」」」
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