この物語のテーマは「町おこし」です。
異世界の領地経営とかじゃないんですよ。
現代日本での「町おこし」!
来ましたね、超高難易度ミッションが。
かくして異世界との交易というチートを使っての「町おこし」が始まります。
主人公は異世界から現代日本に転移した暗黒騎士の元オバサンで、今は幼女の姿のアルテマ。
戦力は、田舎に取り残された老人が数人と、ニートの若者の四人組。
幼女、若者、中年、老人、世代バランスだけは取れたチームが動きだします。
異世界との交易における「等価交換」という概念が、とても面白いです。
日本と異世界で価値を持つモノは何なのか?
日本ですから「いつもの」悪役も出てきますヨ。
もちろんザマァあり。
アルテマは、「町おこし」を成功させ、なにより戦乱の故郷を救うことはできるのか!?
ファンタジー好きも、コメディー好きも、ザマァ好きも、ぜひご一読を!
個人的には星10個ぐらいつけたいですね。
異世界の住民がひょんなことで現代日本に転移(?)して、地球の物産を輸出したり、魔法やマジックアイテムを輸入したりするトレード系作品です。でも本作の一つ大きな特徴として、主人公は戦争している間の事故で地球に来ました。なんとか本国と連絡を取れたところでまだ戦闘継続中。しかも敵国は水源に呪いをかけたりなどかなりえげつない作戦もやっています。それで本国へ送るのは基本的に軍用物資など緊急性が高いものとなります。
そんな大変な状況なのに、全篇を通してコミカルな作風で、敵も味方も愉快な人々が多くて、非常に笑いを誘う一作となります。豊富な要素を有して、エピソードの間の温度差で風邪を引きそうな、非常にユニークで面白い作品です。
異世界人が現代日本にやってきたらどうなるか? というお話
とてもよく考え込まれているヒロインの心境表現が秀逸。また、作中に出てくる『フェアリーズ』の微妙な返答が、この作品の笑いの部分を上手に彩っており、飽きることなくどんどん読み進めることができます。
もちろん笑いだけではありません、転移先である限界集落の住民たちは個性豊かで、長年、殺伐とした異世界で過ごしてきたヒロインを優しく受け入れ、その心と身体を癒やしていくような心温まるストーリー。
戦闘描写については、かっこいい魔法詠唱があり、それ武器にしちゃうの? といった意外性もあり、長すぎず短すぎず、テンポの良い展開に引き込まれることでしょう。
色々な部分が上手にバランス取れているオススメ作品です。