読むと10分で気づきますが、本作はBLEACHのパク……いや、オマージュ作品です。
とは言っても流用されているのは、斬魄刀、始解、卍解、そして解号(吠えろ蛇尾丸、散れ千本桜……とかのアレ)などのギミック周りですね。
当然ですが、キャラ、世界観、などは別物です。
個人的には解号が作者さんのセンスで上手に味付けされており、オシャレに仕上がっているのがツボです。
本作の一番の魅力は主人公ネビの性格です。
狂っている。
完全に狂っている。
あらすじにもあるようにレベリングジャンキーの狂人です。
もうぶっとび過ぎて善人とか悪人とかのくくりでもないので、キャラクターへの共感とかないし、全く憧れない。
それゆえに純粋に見世物として楽しめます。
レベリングだけが命。
レベリングだけが人生。
ヒロインっぽいキャラクターが何人現れてもけっして、デレない、ブレない、ネビ君を全力で楽しみましょう!
レベリングしたくなってきたな。レベリングしたくなってきた。あまり期待しないで読み始めたけど、良い方に裏切られて幸せを感じる、そんな小説。難しいことは一切ないが、ランキングとかそこら辺に転がってるようなお手軽かんたん料理とはちょっと違う。この、余計な日常も安い恋愛も見飽きた世界観描写も省かれた簡潔で濃い味付けの一本満足バー。レベリングが伝染していき、ときにはロマンチックに、ときにはドラマチックに。そしてコミカルに。要は、ノリに乗ることができたら楽しめる小説。ネット小説読者なら、それを確かめるためにも一度目を通してみるといいんじゃないかと思う。