道標であるはずの紐の異変や、飢えがもたらす五感の歪みなど、細部まで徹底された不気味な演出が秀逸です。特に、自然の美しさが凄惨な人間模様を際立たせるコントラストが、読み手に強い圧迫感を与えます。救助の音が聞こえる中で、彼らが最後に手にしたものは何か。人間の本性が剥き出しになる瞬間の、あまりに皮肉で毒のある余韻をぜひ味わってください。青春が腐り落ち、本能が剥き出しになる瞬間の恐怖。極限状態の人間心理を抉り出す、毒のある傑作です。